ボールが速度に比例する空気抵抗を受ける場合の、ボールを投げ上げた時刻から最高到達点に達するまでの時刻 $T_m$ を、ボールの質量 $m$、空気抵抗の比例定数 $\lambda$、初速度の鉛直上方向成分 $V_0$、重力加速度 $g$ を用いて表した式が与えられています。$T_m = m^A \lambda^B \log(C + m^D \lambda^E V_0^F g^G)$。この式中の整数 $A$ の値を求める問題です。

応用数学微分方程式力学積分物理
2025/5/16

1. 問題の内容

ボールが速度に比例する空気抵抗を受ける場合の、ボールを投げ上げた時刻から最高到達点に達するまでの時刻 TmT_m を、ボールの質量 mm、空気抵抗の比例定数 λ\lambda、初速度の鉛直上方向成分 V0V_0、重力加速度 gg を用いて表した式が与えられています。Tm=mAλBlog(C+mDλEV0FgG)T_m = m^A \lambda^B \log(C + m^D \lambda^E V_0^F g^G)。この式中の整数 AA の値を求める問題です。

2. 解き方の手順

ボールの運動方程式は、鉛直上向きを正とすると、
mdvdt=mgλvm \frac{dv}{dt} = -mg - \lambda v
となります。ここで、vv はボールの速度です。初期条件は v(0)=V0v(0) = V_0 です。
この微分方程式を解くために、変数分離を行います。
dvmg+λv=dtm\frac{dv}{mg + \lambda v} = -\frac{dt}{m}
両辺を積分すると、
dvmg+λv=dtm\int \frac{dv}{mg + \lambda v} = \int -\frac{dt}{m}
1λlog(mg+λv)=tm+C1\frac{1}{\lambda} \log(mg + \lambda v) = -\frac{t}{m} + C_1
初期条件 v(0)=V0v(0) = V_0 を代入すると、
1λlog(mg+λV0)=C1\frac{1}{\lambda} \log(mg + \lambda V_0) = C_1
したがって、
1λlog(mg+λv)=tm+1λlog(mg+λV0)\frac{1}{\lambda} \log(mg + \lambda v) = -\frac{t}{m} + \frac{1}{\lambda} \log(mg + \lambda V_0)
log(mg+λv)=λtm+log(mg+λV0)\log(mg + \lambda v) = -\frac{\lambda t}{m} + \log(mg + \lambda V_0)
mg+λv=(mg+λV0)eλtmmg + \lambda v = (mg + \lambda V_0) e^{-\frac{\lambda t}{m}}
λv=(mg+λV0)eλtmmg\lambda v = (mg + \lambda V_0) e^{-\frac{\lambda t}{m}} - mg
v=mg+λV0λeλtmmgλv = \frac{mg + \lambda V_0}{\lambda} e^{-\frac{\lambda t}{m}} - \frac{mg}{\lambda}
最高到達点では v=0v = 0 なので、TmT_m では
0=mg+λV0λeλTmmmgλ0 = \frac{mg + \lambda V_0}{\lambda} e^{-\frac{\lambda T_m}{m}} - \frac{mg}{\lambda}
mgλ=mg+λV0λeλTmm\frac{mg}{\lambda} = \frac{mg + \lambda V_0}{\lambda} e^{-\frac{\lambda T_m}{m}}
mgmg+λV0=eλTmm\frac{mg}{mg + \lambda V_0} = e^{-\frac{\lambda T_m}{m}}
両辺の対数をとると、
log(mgmg+λV0)=λTmm\log \left( \frac{mg}{mg + \lambda V_0} \right) = -\frac{\lambda T_m}{m}
log(mg)log(mg+λV0)=λTmm\log(mg) - \log(mg + \lambda V_0) = -\frac{\lambda T_m}{m}
log(mg+λV0)log(mg)=λTmm\log(mg + \lambda V_0) - \log(mg) = \frac{\lambda T_m}{m}
Tm=mλlog(mg+λV0mg)=mλlog(1+λV0mg)T_m = \frac{m}{\lambda} \log \left( \frac{mg + \lambda V_0}{mg} \right) = \frac{m}{\lambda} \log \left( 1 + \frac{\lambda V_0}{mg} \right)
Tm=m1λ1log(1+m1λ1V01g1)T_m = m^1 \lambda^{-1} \log \left( 1 + m^{-1} \lambda^1 V_0^1 g^{-1} \right)
したがって、 A=1A = 1, B=1B = -1, C=1C = 1, D=1D = -1, E=1E = 1, F=1F = 1, G=1G = -1

3. 最終的な答え

1

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