摩擦のない斜面を高さ $h$ の位置から質量 $m$ の小物体が初速度0で滑り落ち、水平面を移動する。水平面は点Pから右側で摩擦がある。重力加速度の大きさを $g$、点Pより右側の床の動摩擦係数を $\mu$ とする。 (1) 水平面を基準とした、小物体の持つ位置エネルギーを求める。 (2) 小物体が点Pに達したときの速度 $v$ を求める。 (3) 斜面を滑り始めてから、水平面に達するまでに小物体に重力がした仕事と垂直抗力がした仕事を求める。 (4) 小物体が床から受ける摩擦力の大きさを求める。 (5) 小物体が静止するまでの点Pからの距離 $l$ を求める。

応用数学力学エネルギー保存の法則仕事摩擦力運動方程式
2025/5/16

1. 問題の内容

摩擦のない斜面を高さ hh の位置から質量 mm の小物体が初速度0で滑り落ち、水平面を移動する。水平面は点Pから右側で摩擦がある。重力加速度の大きさを gg、点Pより右側の床の動摩擦係数を μ\mu とする。
(1) 水平面を基準とした、小物体の持つ位置エネルギーを求める。
(2) 小物体が点Pに達したときの速度 vv を求める。
(3) 斜面を滑り始めてから、水平面に達するまでに小物体に重力がした仕事と垂直抗力がした仕事を求める。
(4) 小物体が床から受ける摩擦力の大きさを求める。
(5) 小物体が静止するまでの点Pからの距離 ll を求める。

2. 解き方の手順

(1) 水平面を基準とした位置エネルギーは、U=mghU = mgh で求められる。
(2) エネルギー保存の法則より、位置エネルギーが全て運動エネルギーに変換される。
mgh=12mv2mgh = \frac{1}{2}mv^2
よって、v=2ghv = \sqrt{2gh}
(3) 重力がした仕事は、重力と移動距離の積で求められる。鉛直方向の移動距離は hh なので、重力がした仕事は Wg=mghW_g = mgh となる。斜面に沿って移動する距離は関係ない。
垂直抗力は常に物体の移動方向と垂直なため、垂直抗力のする仕事は0である。WN=0W_N = 0
(4) 小物体が床から受ける摩擦力は、動摩擦力である。垂直抗力は重力と釣り合っているので、N=mgN = mg。したがって、動摩擦力の大きさは、F=μN=μmgF = \mu N = \mu mg
(5) 小物体が静止するまでの点Pからの距離 ll を求める。点Pでの運動エネルギーが、摩擦によって全て消費されると考える。
摩擦力のする仕事は、Wf=Fl=μmglW_f = -Fl = -\mu mgl
仕事とエネルギーの関係より、Wf=ΔK=KfKi=012mv2W_f = \Delta K = K_f - K_i = 0 - \frac{1}{2}mv^2
よって、μmgl=12mv2-\mu mgl = -\frac{1}{2}mv^2
l=v22μgl = \frac{v^2}{2\mu g}
(2)より、v2=2ghv^2 = 2gh なので、
l=2gh2μg=hμl = \frac{2gh}{2\mu g} = \frac{h}{\mu}

3. 最終的な答え

(1) mghmgh
(2) 2gh\sqrt{2gh}
(3) 重力がした仕事:mghmgh、垂直抗力がした仕事:00
(4) μmg\mu mg
(5) hμ\frac{h}{\mu}

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