(I) (1) 命題「$n^2 + n$ と $2n$ はともに4の倍数である」の否定命題を作れ。 (2) 命題「$2n^2 + 1$ は3の倍数ではない、または、$n \ge 7$ が成り立つ」の否定命題を作れ。 (3) (2)で答えた否定命題を満たすような正の整数$n$をすべて求めよ。 (II) $N$ を正の整数全体の集合とし、$R_{>0}$ を正の実数全体の集合とする。写像 $f: N \rightarrow R_{>0}$ を $f(n) = \sqrt{n}$ ($n \in N$) で定める。 (1) 次の集合に含まれる元の個数を求めよ。 (a) $\{ n \in N | f(n) = 2\sqrt{3} \}$ (b) $\{ n \in N | f(n) = \frac{1}{2} \}$ (2) 写像 $f$ は全単射であるか、全射でないが単射であるか、単射でないが全射であるか、全射でも単射でもないか答えよ。

代数学命題集合写像全射単射整数の性質
2025/5/22

1. 問題の内容

(I)
(1) 命題「n2+nn^2 + n2n2n はともに4の倍数である」の否定命題を作れ。
(2) 命題「2n2+12n^2 + 1 は3の倍数ではない、または、n7n \ge 7 が成り立つ」の否定命題を作れ。
(3) (2)で答えた否定命題を満たすような正の整数nnをすべて求めよ。
(II)
NN を正の整数全体の集合とし、R>0R_{>0} を正の実数全体の集合とする。写像 f:NR>0f: N \rightarrow R_{>0}f(n)=nf(n) = \sqrt{n} (nNn \in N) で定める。
(1) 次の集合に含まれる元の個数を求めよ。
(a) {nNf(n)=23}\{ n \in N | f(n) = 2\sqrt{3} \}
(b) {nNf(n)=12}\{ n \in N | f(n) = \frac{1}{2} \}
(2) 写像 ff は全単射であるか、全射でないが単射であるか、単射でないが全射であるか、全射でも単射でもないか答えよ。

2. 解き方の手順

(I)
(1) 命題「PP かつ QQ」の否定は「¬P\neg P または ¬Q\neg Q」である。
PP: n2+nn^2+n は4の倍数である。
QQ: 2n2n は4の倍数である。
¬P\neg P: n2+nn^2+n は4の倍数ではない。
¬Q\neg Q: 2n2n は4の倍数ではない。
よって否定命題は「n2+nn^2+n は4の倍数ではない、または、2n2n は4の倍数ではない」。
(2) 命題「PP または QQ」の否定は「¬P\neg P かつ ¬Q\neg Q」である。
PP: 2n2+12n^2+1 は3の倍数ではない。
QQ: n7n \ge 7 が成り立つ。
¬P\neg P: 2n2+12n^2+1 は3の倍数である。
¬Q\neg Q: n<7n < 7 が成り立つ。
よって否定命題は「2n2+12n^2+1 は3の倍数であり、かつ、n<7n < 7 が成り立つ」。
(3) (2)の否定命題は「2n2+12n^2+1 は3の倍数であり、かつ、n<7n < 7 が成り立つ」。
nn は正の整数なので、n{1,2,3,4,5,6}n \in \{1, 2, 3, 4, 5, 6 \} である。
n=1n=1 のとき、2n2+1=2(1)2+1=32n^2+1 = 2(1)^2+1 = 3 なので3の倍数である。
n=2n=2 のとき、2n2+1=2(2)2+1=92n^2+1 = 2(2)^2+1 = 9 なので3の倍数である。
n=3n=3 のとき、2n2+1=2(3)2+1=192n^2+1 = 2(3)^2+1 = 19 なので3の倍数ではない。
n=4n=4 のとき、2n2+1=2(4)2+1=332n^2+1 = 2(4)^2+1 = 33 なので3の倍数である。
n=5n=5 のとき、2n2+1=2(5)2+1=512n^2+1 = 2(5)^2+1 = 51 なので3の倍数である。
n=6n=6 のとき、2n2+1=2(6)2+1=732n^2+1 = 2(6)^2+1 = 73 なので3の倍数ではない。
したがって、2n2+12n^2+1 が3の倍数であり、かつ n<7n < 7 を満たす nn1,2,4,51, 2, 4, 5 である。
(II)
(1) (a) f(n)=n=23f(n) = \sqrt{n} = 2\sqrt{3}
n=(23)2=43=12n = (2\sqrt{3})^2 = 4 \cdot 3 = 12
n=12n=12 は正の整数なので、{nNf(n)=23}={12}\{ n \in N | f(n) = 2\sqrt{3} \} = \{12\} である。
よって、集合に含まれる元の個数は1個である。
(b) f(n)=n=12f(n) = \sqrt{n} = \frac{1}{2}
n=(12)2=14n = (\frac{1}{2})^2 = \frac{1}{4}
n=14n = \frac{1}{4} は正の整数ではないので、f(n)=12f(n) = \frac{1}{2} となる正の整数 nn は存在しない。
よって、集合に含まれる元の個数は0個である。
(2) f(n)=nf(n) = \sqrt{n}
f(n)f(n) は単射である。なぜなら、f(n1)=f(n2)f(n_1) = f(n_2) ならば n1=n2\sqrt{n_1} = \sqrt{n_2} より n1=n2n_1 = n_2 となるからである。
f(n)f(n) は全射ではない。なぜなら、R>0R_{>0} の任意の元 yy に対して、y=ny = \sqrt{n} となる nNn \in N が存在するとは限らないからである。例えば、y=12y = \frac{1}{2} とすると、n=14n = \frac{1}{4} となるが、nNn \notin N である。
よって、写像 ff は全射でないが単射である。

3. 最終的な答え

(I)
(1) n2+nn^2+n は4の倍数ではない、または、2n2n は4の倍数ではない。
(2) 2n2+12n^2+1 は3の倍数であり、かつ、n<7n < 7 が成り立つ。
(3) 1,2,4,51, 2, 4, 5
(II)
(1) (a) 1個 (b) 0個
(2) 全射でないが単射である。

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