36や264のように、各位の数の和が3の倍数である正の整数は3の倍数である。このことが成り立つわけを3桁の正の整数について説明せよ。

数論整数の性質倍数
2025/5/22
## 問題1

1. 問題の内容

36や264のように、各位の数の和が3の倍数である正の整数は3の倍数である。このことが成り立つわけを3桁の正の整数について説明せよ。

2. 解き方の手順

3桁の正の整数を abcabc とおく。a,b,ca, b, c はそれぞれ百の位、十の位、一の位の数字を表し、aa は1から9の整数、b,cb, c は0から9の整数である。
この整数は 100a+10b+c100a + 10b + c と表せる。
各位の数の和が3の倍数であるとき、a+b+c=3ka + b + c = 3kkk は整数)と表せる。
100a+10b+c=(99a+a)+(9b+b)+c=99a+9b+(a+b+c)100a + 10b + c = (99a + a) + (9b + b) + c = 99a + 9b + (a + b + c)
=9(11a+b)+(a+b+c)=9(11a+b)+3k= 9(11a + b) + (a + b + c) = 9(11a + b) + 3k
9(11a+b)9(11a + b) は9の倍数なので3の倍数であり、3k3k は3の倍数である。
したがって、100a+10b+c100a + 10b + c は3の倍数である。

3. 最終的な答え

3桁の正の整数を abcabc とすると、abc=100a+10b+cabc = 100a + 10b + c と表せる。
各位の数の和が3の倍数であるとき、a+b+c=3ka + b + c = 3kkk は整数)と表せる。
100a+10b+c=9(11a+b)+(a+b+c)=9(11a+b)+3k100a + 10b + c = 9(11a + b) + (a + b + c) = 9(11a + b) + 3k となる。
9(11a+b)9(11a + b) は3の倍数、3k3k も3の倍数なので、100a+10b+c100a + 10b + c は3の倍数である。
したがって、各位の数の和が3の倍数である3桁の正の整数は3の倍数である。
## 問題2

1. 問題の内容

4桁の自然数と、その自然数の上から2桁の数と下から2桁の数を入れかえた自然数との差は99の倍数である。このわけを説明せよ。

2. 解き方の手順

4桁の自然数を abcdabcd とおく。a,b,c,da, b, c, d はそれぞれ千の位、百の位、十の位、一の位の数字を表し、aa は1から9の整数、b,c,db, c, d は0から9の整数である。
この整数は 1000a+100b+10c+d1000a + 100b + 10c + d と表せる。
上2桁と下2桁を入れ替えた自然数は 1000c+100d+10a+b1000c + 100d + 10a + b と表せる。
これらの差を計算する。
(1000a+100b+10c+d)(1000c+100d+10a+b)=990a+99b990c99d(1000a + 100b + 10c + d) - (1000c + 100d + 10a + b) = 990a + 99b - 990c - 99d
=99(10a+b10cd)=99(10a+b)99(10c+d)= 99(10a + b - 10c - d) = 99(10a + b) - 99(10c + d)

3. 最終的な答え

4桁の自然数を abcdabcd とすると、abcd=1000a+100b+10c+dabcd = 1000a + 100b + 10c + d と表せる。
上2桁と下2桁を入れ替えた自然数は cdab=1000c+100d+10a+bcdab = 1000c + 100d + 10a + b と表せる。
これらの差は (1000a+100b+10c+d)(1000c+100d+10a+b)=990a+99b990c99d=99(10a+b10cd)(1000a + 100b + 10c + d) - (1000c + 100d + 10a + b) = 990a + 99b - 990c - 99d = 99(10a + b - 10c - d) となる。
99(10a+b10cd)99(10a + b - 10c - d) は99の倍数である。
したがって、4桁の自然数と、その自然数の上から2桁の数と下から2桁の数を入れかえた自然数との差は99の倍数である。

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