$xy$平面上の2次元スカラー場$\phi$に対して、$\text{grad } \phi = 2\mathbf{i}$ が成り立つとき、この状態がどのような状態であるかを、図と文章で説明する問題です。ここで$\mathbf{i}$ は $x$軸方向の単位ベクトルです。

解析学勾配偏微分スカラー場ベクトル場等高線
2025/6/3

1. 問題の内容

xyxy平面上の2次元スカラー場ϕ\phiに対して、grad ϕ=2i\text{grad } \phi = 2\mathbf{i} が成り立つとき、この状態がどのような状態であるかを、図と文章で説明する問題です。ここでi\mathbf{i}xx軸方向の単位ベクトルです。

2. 解き方の手順

grad ϕ\text{grad } \phi はスカラー場 ϕ\phi の勾配ベクトルを表します。2次元の場合、
grad ϕ=ϕxi+ϕyj\text{grad } \phi = \frac{\partial \phi}{\partial x} \mathbf{i} + \frac{\partial \phi}{\partial y} \mathbf{j}
と書けます。ここで、j\mathbf{j}yy軸方向の単位ベクトルです。
問題文より、grad ϕ=2i\text{grad } \phi = 2\mathbf{i} ですから、
ϕxi+ϕyj=2i\frac{\partial \phi}{\partial x} \mathbf{i} + \frac{\partial \phi}{\partial y} \mathbf{j} = 2\mathbf{i}
したがって、
ϕx=2\frac{\partial \phi}{\partial x} = 2
ϕy=0\frac{\partial \phi}{\partial y} = 0
となります。
ϕx=2\frac{\partial \phi}{\partial x} = 2 を積分すると、
ϕ(x,y)=2x+f(y)\phi(x,y) = 2x + f(y)
となります。ここでf(y)f(y)yy のみの関数です。
次に、これを yy で偏微分すると、
ϕy=df(y)dy=0\frac{\partial \phi}{\partial y} = \frac{d f(y)}{d y} = 0
よって、f(y)f(y) は定数である必要があります。したがって、f(y)=Cf(y) = C (CCは定数) と書けます。
ϕ(x,y)=2x+C\phi(x,y) = 2x + C
これは、yyの値によらず、xx が増加すると ϕ\phi が線形に増加することを示しています。等高線は、x=x= 定数の直線となります。具体的には、傾きを持たない(水平な)等高線が xx軸方向に等間隔に並んでいる状態です。ベクトル場は、x軸方向に一定の大きさを持つベクトルが並んでいる状態です。

3. 最終的な答え

ϕ(x,y)=2x+C\phi(x,y) = 2x + CCCは定数)で表されるスカラー場であり、xxが増加するとϕ\phiが線形に増加します。等高線は x=x= 定数の直線であり、xx軸に垂直な方向に等間隔に並びます。つまり、スカラー場は xx軸方向に一様に増加する状態を表しています。勾配ベクトルは xx軸方向に一定の大きさ 22 を持つベクトル場となります。

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