鉄心にエアギャップがあるコイルにおいて、エアギャップの磁束密度 $B$ を 0.3 T 以上にするために必要なコイルの巻き数 $N$ を求める問題です。ただし、巻き数 $N$ は下1桁を切り上げる必要があります。与えられているパラメータは、鉄心の比透磁率 $\mu_r = 2000$、平均磁路長 $l_1 = 0.6$ m、エアギャップ長 $l_2 = 0.002$ m、コイルに流れる電流 $I = 0.8$ A、真空中の透磁率 $\mu_0 = 4\pi \times 10^{-7}$ N/A$^2$ です。

応用数学電磁気学磁気回路コイル起磁力磁気抵抗
2025/6/4

1. 問題の内容

鉄心にエアギャップがあるコイルにおいて、エアギャップの磁束密度 BB を 0.3 T 以上にするために必要なコイルの巻き数 NN を求める問題です。ただし、巻き数 NN は下1桁を切り上げる必要があります。与えられているパラメータは、鉄心の比透磁率 μr=2000\mu_r = 2000、平均磁路長 l1=0.6l_1 = 0.6 m、エアギャップ長 l2=0.002l_2 = 0.002 m、コイルに流れる電流 I=0.8I = 0.8 A、真空中の透磁率 μ0=4π×107\mu_0 = 4\pi \times 10^{-7} N/A2^2 です。

2. 解き方の手順

まず、磁気回路における起磁力と磁気抵抗の関係を考えます。起磁力 FF はコイルの巻き数 NN と電流 II の積で表され、F=NIF = NI です。磁気抵抗は鉄心部分とエアギャップ部分の磁気抵抗の和で表されます。
鉄心部分の磁気抵抗 R1R_1 は、
R1=l1μ0μrAR_1 = \frac{l_1}{\mu_0 \mu_r A}
エアギャップ部分の磁気抵抗 R2R_2 は、
R2=l2μ0AR_2 = \frac{l_2}{\mu_0 A}
ここで、AA は磁路の断面積です。
磁束 Φ\Phi は磁束密度 BB と断面積 AA の積で表され、Φ=BA\Phi = BA です。磁気回路におけるオームの法則より、起磁力 FF は磁束 Φ\Phi と磁気抵抗の積で表されます。
F=Φ(R1+R2)F = \Phi (R_1 + R_2)
NI=BA(l1μ0μrA+l2μ0A)NI = BA (\frac{l_1}{\mu_0 \mu_r A} + \frac{l_2}{\mu_0 A})
NI=B(l1μ0μr+l2μ0)NI = B (\frac{l_1}{\mu_0 \mu_r} + \frac{l_2}{\mu_0})
巻き数 NN について解くと、
N=BI(l1μ0μr+l2μ0)N = \frac{B}{I} (\frac{l_1}{\mu_0 \mu_r} + \frac{l_2}{\mu_0})
N=BIμ0(l1μr+l2)N = \frac{B}{I \mu_0} (\frac{l_1}{\mu_r} + l_2)
与えられた値を代入します。
N=0.30.8×4π×107(0.62000+0.002)N = \frac{0.3}{0.8 \times 4\pi \times 10^{-7}} (\frac{0.6}{2000} + 0.002)
N=0.30.8×4π×107(0.0003+0.002)N = \frac{0.3}{0.8 \times 4\pi \times 10^{-7}} (0.0003 + 0.002)
N=0.30.8×4π×107(0.0023)N = \frac{0.3}{0.8 \times 4\pi \times 10^{-7}} (0.0023)
N=0.3×0.00230.8×4π×107N = \frac{0.3 \times 0.0023}{0.8 \times 4\pi \times 10^{-7}}
N=0.000691.0053×106N = \frac{0.00069}{1.0053 \times 10^{-6}}
N686.3N \approx 686.3
下1桁を切り上げて、
N=690N = 690

3. 最終的な答え

690

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