一様な密度を持つ体積 $1.0 \times 10^3 \text{ cm}^3$ の立方体を、密度 $1.0 \text{ g/cm}^3$ の水に入れたところ、体積の $\frac{2}{5}$ が空気中に出た状態で浮いた。重力加速度の大きさを $9.8 \text{ m/s}^2$ とする。 (1) この立方体の上面を水面と一致させるには、何 N の力で押し下げる必要があるか。 (2) 立方体の上面が水面と一致した状態で手を離した。手を離した瞬間の加速度を求めよ。 (3) (2)で求めた加速度はその後どのように変化するか説明せよ。

応用数学力学浮力密度ニュートンの運動方程式
2025/6/5

1. 問題の内容

一様な密度を持つ体積 1.0×103 cm31.0 \times 10^3 \text{ cm}^3 の立方体を、密度 1.0 g/cm31.0 \text{ g/cm}^3 の水に入れたところ、体積の 25\frac{2}{5} が空気中に出た状態で浮いた。重力加速度の大きさを 9.8 m/s29.8 \text{ m/s}^2 とする。
(1) この立方体の上面を水面と一致させるには、何 N の力で押し下げる必要があるか。
(2) 立方体の上面が水面と一致した状態で手を離した。手を離した瞬間の加速度を求めよ。
(3) (2)で求めた加速度はその後どのように変化するか説明せよ。

2. 解き方の手順

(1)
まず、立方体の質量 mm を求める。浮いているとき、重力と浮力が釣り合っている。水中に沈んでいる体積は 35V\frac{3}{5}V であるから、浮力 FBF_B は、
FB=ρwg35VF_B = \rho_w g \frac{3}{5}V
ここで、ρw\rho_w は水の密度(1.0 g/cm3=1.0×103 kg/m31.0 \text{ g/cm}^3 = 1.0 \times 10^3 \text{ kg/m}^3)、gg は重力加速度、VV は立方体の体積 (1.0×103 cm3=1.0×103 m31.0 \times 10^3 \text{ cm}^3 = 1.0 \times 10^{-3} \text{ m}^3) である。
重力 mgmg と浮力が釣り合っているので、
mg=ρwg35Vmg = \rho_w g \frac{3}{5}V
m=ρw35V=1.0×103 kg/m3×35×1.0×103 m3=0.6 kgm = \rho_w \frac{3}{5}V = 1.0 \times 10^3 \text{ kg/m}^3 \times \frac{3}{5} \times 1.0 \times 10^{-3} \text{ m}^3 = 0.6 \text{ kg}
立方体の上面を水面と一致させるには、立方体全体が水中に沈む必要があり、必要な力 FF は、
F=FBmgF = F_B' - mg
ここで、FBF_B' は立方体が完全に水中に沈んでいるときの浮力で、
FB=ρwgV=1.0×103 kg/m3×9.8 m/s2×1.0×103 m3=9.8 NF_B' = \rho_w g V = 1.0 \times 10^3 \text{ kg/m}^3 \times 9.8 \text{ m/s}^2 \times 1.0 \times 10^{-3} \text{ m}^3 = 9.8 \text{ N}
したがって、
F=9.8 N0.6 kg×9.8 m/s2=9.8 N5.88 N=3.92 NF = 9.8 \text{ N} - 0.6 \text{ kg} \times 9.8 \text{ m/s}^2 = 9.8 \text{ N} - 5.88 \text{ N} = 3.92 \text{ N}
(2)
手を離した瞬間、立方体は完全に水中に沈んでいる。重力は mg=5.88 Nmg = 5.88 \text{ N}、浮力は FB=9.8 NF_B' = 9.8 \text{ N} である。
合力は FBmg=9.8 N5.88 N=3.92 NF_B' - mg = 9.8 \text{ N} - 5.88 \text{ N} = 3.92 \text{ N} 上向きである。
加速度 aa は、ニュートンの運動方程式 F=maF = ma より、
a=Fm=3.92 N0.6 kg=6.53 m/s2a = \frac{F}{m} = \frac{3.92 \text{ N}}{0.6 \text{ kg}} = 6.53 \text{ m/s}^2
(3)
手を離した瞬間から立方体が浮上し始めると、水面から出ている部分が生じる。水面下の体積が減少すると浮力も減少する。浮力が重力と釣り合うまで加速度は減少し、最終的には0になる。

3. 最終的な答え

(1) 3.92 N
(2) 6.53 m/s^2 (上向き)
(3) 加速度は減少し、最終的には0になる。

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