この問題は、鉄(Fe)を定量するためにICP-OESで使用する標準液と未知試料の分析に関する問題です。 (1) 硫酸鉄(II)七水和物(FeSO4・7H2O)から、Fe2+として10.0 ppmの標準液100.0 mLを調製するのに必要なFeSO4・7H2Oの質量[g]を求めます。 (2) ICP-OESでの標準液と未知試料のシグナル強度から、未知試料中のFe2+濃度[ppm]を求めます。

応用数学化学濃度計算ppm比率分析化学
2025/6/23

1. 問題の内容

この問題は、鉄(Fe)を定量するためにICP-OESで使用する標準液と未知試料の分析に関する問題です。
(1) 硫酸鉄(II)七水和物(FeSO4・7H2O)から、Fe2+として10.0 ppmの標準液100.0 mLを調製するのに必要なFeSO4・7H2Oの質量[g]を求めます。
(2) ICP-OESでの標準液と未知試料のシグナル強度から、未知試料中のFe2+濃度[ppm]を求めます。

2. 解き方の手順

(1) FeSO4・7H2Oの質量を計算します。
10.0 ppmのFe2+標準液100.0 mLを調製するには、まず、Fe2+の質量を計算します。ppmは parts per million の略で、質量ppmは溶液100万gあたりに含まれる溶質の質量gを表します。水の密度はほぼ1 g/mLなので、100.0 mLの水は100.0 gと近似できます。
10.0 ppm=Fe2+の質量 [g]106 g (溶液)×10610.0 \text{ ppm} = \frac{\text{Fe}^{2+} \text{の質量 [g]}}{10^6 \text{ g (溶液)}} \times 10^6
10.0 ppm=Fe2+の質量 [g]100.0 g (溶液)×106×1106×100.0 g (溶液)10.0 \text{ ppm} = \frac{\text{Fe}^{2+} \text{の質量 [g]}}{100.0 \text{ g (溶液)}} \times 10^6 \times \frac{1}{10^6} \times 100.0 \text{ g (溶液)}
したがって、
Fe2+の質量 [g]=10.0 ppm×100.0 g106=1.00×103 g=0.00100 g\text{Fe}^{2+} \text{の質量 [g]} = \frac{10.0 \text{ ppm} \times 100.0 \text{ g}}{10^6} = 1.00 \times 10^{-3} \text{ g} = 0.00100 \text{ g}
次に、FeSO4・7H2Oの質量を計算します。FeSO4・7H2Oの式量は278.01 g/molで、Feの原子量は55.845 g/molです。したがって、FeSO4・7H2O中に含まれるFeの質量比は、
55.845 g/mol278.01 g/mol0.20087\frac{55.845 \text{ g/mol}}{278.01 \text{ g/mol}} \approx 0.20087
必要なFeSO4・7H2Oの質量は、
0.00100 g0.200870.00498 g\frac{0.00100 \text{ g}}{0.20087} \approx 0.00498 \text{ g}
(2) 未知試料中のFe2+濃度を計算します。
ICP-OESでのシグナル強度は濃度に比例すると考えられます。標準液の濃度は10.0 ppmで、シグナル強度は2500です。未知試料のシグナル強度は3450です。したがって、未知試料中のFe2+濃度は、
34502500×10.0 ppm=1.38×10.0 ppm=13.8 ppm\frac{3450}{2500} \times 10.0 \text{ ppm} = 1.38 \times 10.0 \text{ ppm} = 13.8 \text{ ppm}

3. 最終的な答え

(1) 0.00498 g
(2) 13.8 ppm
したがって、最も近い組み合わせは(1)0.00498 (2)13.8です。

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