座標平面上の4点 A(0, 1), B(0, 0), C(1, 0), D(1, 1) を頂点とする正方形がある。点 Q は正方形の頂点上を 1 秒ごとに隣の頂点へ移動する。点 Q は x 軸と平行な方向に確率 $p$ で、y 軸と平行な方向に確率 $1-p$ で移動する。最初、点 Q は頂点 A にいるとき、$n$ 秒後に頂点 A にいる確率 $a_n$ と頂点 C にいる確率 $c_n$ を求める。

確率論・統計学確率確率過程漸化式行列
2025/6/27

1. 問題の内容

座標平面上の4点 A(0, 1), B(0, 0), C(1, 0), D(1, 1) を頂点とする正方形がある。点 Q は正方形の頂点上を 1 秒ごとに隣の頂点へ移動する。点 Q は x 軸と平行な方向に確率 pp で、y 軸と平行な方向に確率 1p1-p で移動する。最初、点 Q は頂点 A にいるとき、nn 秒後に頂点 A にいる確率 ana_n と頂点 C にいる確率 cnc_n を求める。

2. 解き方の手順

まず、an+1a_{n+1}cn+1c_{n+1}an,cna_n, c_n などを用いて表す。
点 A からは、確率 pp で D に、確率 1p1-p で B に移動する。
点 C からは、確率 pp で B に、確率 1p1-p で D に移動する。
点 B からは、確率 pp で C に、確率 1p1-p で A に移動する。
点 D からは、確率 pp で A に、確率 1p1-p で C に移動する。
bnb_nnn 秒後に点 B にいる確率、dnd_nnn 秒後に点 D にいる確率とすると、
an+1=(1p)bn+pdna_{n+1} = (1-p)b_n + p d_n
bn+1=(1p)an+pcnb_{n+1} = (1-p)a_n + p c_n
cn+1=pbn+(1p)dnc_{n+1} = p b_n + (1-p) d_n
dn+1=pan+(1p)cnd_{n+1} = p a_n + (1-p) c_n
ここで、an+bn+cn+dn=1a_n + b_n + c_n + d_n = 1 が常に成り立つ。
また、a0=1,b0=c0=d0=0a_0 = 1, b_0 = c_0 = d_0 = 0 である。
bn=dnb_n = d_n が常に成り立つことを数学的帰納法で示す。
n=0n=0 のとき、b0=d0=0b_0 = d_0 = 0 なので成り立つ。
n=kn=k のとき、bk=dkb_k = d_k が成り立つと仮定すると、
bk+1=(1p)ak+pckb_{k+1} = (1-p)a_k + p c_k
dk+1=pak+(1p)ckd_{k+1} = p a_k + (1-p) c_k
これらが等しくないので、この方針ではうまくいかない。
bn+cn=dn+anb_n + c_n = d_n + a_n (1)
bn+1+cn+1=(1p)an+pcn+pbn+(1p)dnb_{n+1} + c_{n+1} = (1-p)a_n + pc_n + pb_n + (1-p)d_n
=(1p)an+pcn+pbn+(1p)dn= (1-p)a_n + pc_n + pb_n + (1-p)d_n
=(1p)an+pcn+pbn+(1p)dn= (1-p)a_n + p c_n + p b_n + (1-p)d_n
an+1+dn+1=(1p)bn+pdn+pan+(1p)cna_{n+1} + d_{n+1} = (1-p)b_n + p d_n + pa_n + (1-p) c_n
=pan+(1p)cn+(1p)bn+pdn= pa_n + (1-p)c_n + (1-p)b_n + p d_n
n=0n = 0 のとき、b0+c0=d0+a0=1b_0 + c_0 = d_0 + a_0 = 1
an+cn+bn+dn=1a_n + c_n + b_n + d_n = 1より、bn+dn=1ancnb_n+d_n = 1 - a_n - c_n
bn=dnb_n = d_n のとき、2bn=1ancn2 b_n = 1- a_n - c_n, よってbn=1ancn2b_n = \frac{1- a_n - c_n}{2}
an+1=(1p)bn+pdn=(1p)bn+pbn=bna_{n+1} = (1-p)b_n + p d_n = (1-p)b_n + p b_n = b_n
cn+1=pbn+(1p)dn=pbn+(1p)bn=bnc_{n+1} = p b_n + (1-p) d_n = p b_n + (1-p) b_n = b_n
よって、an+1=cn+1a_{n+1} = c_{n+1} なので、この方針も違う。
ancna_n - c_n について考える。
a0c0=10=1a_0 - c_0 = 1-0 = 1
an+1cn+1=(1p)bn+pdn(pbn+(1p)dn)=(12p)(bndn)a_{n+1} - c_{n+1} = (1-p)b_n + p d_n - (p b_n + (1-p) d_n) = (1-2p)(b_n - d_n)
an+cn=xna_n + c_n = x_n とおく。すると、bn+dn=1xnb_n + d_n = 1 - x_n
an+1=(1p)bn+pdna_{n+1} = (1-p) b_n + p d_n
cn+1=pbn+(1p)dnc_{n+1} = p b_n + (1-p) d_n
an+1+cn+1=bn+dn=1xna_{n+1} + c_{n+1} = b_n + d_n = 1 - x_n
xn+1=1xnx_{n+1} = 1 - x_n
x0=a0+c0=1x_0 = a_0 + c_0 = 1
x1=1x0=0x_1 = 1 - x_0 = 0
x2=1x1=1x_2 = 1 - x_1 = 1
xn=1+(1)n2x_n = \frac{1 + (-1)^n}{2}
ancn=yna_n - c_n = y_n とおく。
y0=a0c0=1y_0 = a_0 - c_0 = 1
an+1cn+1=(1p)bn+pdnpbn(1p)dn=(12p)(bndn)a_{n+1} - c_{n+1} = (1-p) b_n + p d_n - p b_n - (1-p) d_n = (1-2p)(b_n - d_n)
bndn=(1p)an1+pcn1pan1(1p)cn1b_n - d_n = (1-p)a_{n-1} + p c_{n-1} - p a_{n-1} - (1-p)c_{n-1}
=(12p)(an1cn1)=(12p)yn1= (1-2p)(a_{n-1}-c_{n-1}) = (1-2p)y_{n-1}
an+cn=1+(1)n2a_{n} + c_{n} = \frac{1+(-1)^n}{2}
ancn=(12p)na_{n} - c_{n} = (1-2p)^n
2an=1+(1)n2+(12p)n2 a_n = \frac{1+(-1)^n}{2} + (1-2p)^n
an=1+(1)n4+(12p)n2a_n = \frac{1+(-1)^n}{4} + \frac{(1-2p)^n}{2}
2cn=1+(1)n2(12p)n2 c_n = \frac{1+(-1)^n}{2} - (1-2p)^n
cn=1+(1)n4(12p)n2c_n = \frac{1+(-1)^n}{4} - \frac{(1-2p)^n}{2}

3. 最終的な答え

an=1+(1)n4+(12p)n2a_n = \frac{1+(-1)^n}{4} + \frac{(1-2p)^n}{2}
cn=1+(1)n4(12p)n2c_n = \frac{1+(-1)^n}{4} - \frac{(1-2p)^n}{2}

「確率論・統計学」の関連問題

袋の中に赤玉2個、白玉1個、青玉1個の計4個の玉が入っている。この袋から玉を1個取り出し、色を確認してから袋に戻すことを4回繰り返す。このとき、赤玉を取り出した回数を $m$ 回、取り出した玉の色の種...

確率期待値場合の数反復試行
2025/6/27

Aが3個、Bが4個の計7個の文字を1列に並べる。Aが2個以上続いて並ぶ並べ方を求める際、提示された解答には重複して数えているものがある。重複して数えている並べ方をすべて答える。提示された解答は、Aを2...

順列重複場合の数
2025/6/27

問題は2つあります。 問題7:2つのサイコロを同時に投げるとき、出る目が連続している確率を求めなさい。 問題8:1, 2, 3, 4, 5, 6, 7から異なる3つの数を取り、3桁の整数を作るとき、 ...

確率サイコロ組み合わせ整数倍数
2025/6/27

5人の生徒の小テストの得点$x$とその偏差の二乗$(x-\bar{x})^2$が表にまとめられている。ただし、$\bar{x}$は変量$x$の平均値である。このとき、変量$x$の平均値と分散を求める。

平均分散統計データの分析
2025/6/27

A, B, Cの3人が的に向かって矢を1本ずつ射る。それぞれの命中率は $1/2, 1/3, 1/4$ である。このとき、AとBの2人の射た矢が的に命中して、Cの射た矢は的に命中しない確率と、3人のう...

確率独立事象余事象
2025/6/27

5人の生徒の小テストの得点 $x$ と、その偏差の二乗 $(x-\bar{x})^2$ の表が与えられています。ここで、$\bar{x}$ は $x$ の平均値を表します。表の一部の値が $a, b,...

平均分散統計偏差
2025/6/27

1個のサイコロを投げるとき、次の事象を集合で表す。 (1) 3の倍数の目が出る (2) 4以下の目が出る

確率集合サイコロ事象
2025/6/27

(4) 右図のような道路のある町で、A地点からB地点まで最短経路で行くとき、次の問いに答えなさい。 (1) A地点からB地点までの最短経路は全部で何通りあるか。 (2) A地点からB地点までの最短経路...

組み合わせ最短経路場合の数
2025/6/27

与えられた画像に書かれた複数の確率・組合せの問題を解きます。具体的には、次の問題です。 (1) 7人(男子3人、女子4人)から3人を選ぶ場合の数を求める。 ① 男女の区別をしない場合。 ...

組み合わせ順列場合の数組合せ
2025/6/27

異なる6冊の本がある。以下の問いに答えよ。 (1) A, B, Cの3人に1冊ずつ配る配り方の総数を求めよ。 (2) A, Bの2人に3冊ずつ配る配り方の総数を求めよ。 (3) 3冊ずつの2つの組に分...

組み合わせ場合の数順列重複組み合わせ
2025/6/27