片持ち梁の先端に集中荷重 $P$ が作用する場合のせん断力図 (SFD) と曲げモーメント図 (BMD) を描き、最大曲げ応力 $\sigma_{max}$ と最大せん断応力 $\tau_{max}$ を求める。また、梁の長さが80cm、断面が20mmの一辺を持つ正方形のとき、最大曲げ応力は最大せん断応力の何倍になるか求める。

応用数学構造力学せん断力図曲げモーメント図応力
2025/7/18

1. 問題の内容

片持ち梁の先端に集中荷重 PP が作用する場合のせん断力図 (SFD) と曲げモーメント図 (BMD) を描き、最大曲げ応力 σmax\sigma_{max} と最大せん断応力 τmax\tau_{max} を求める。また、梁の長さが80cm、断面が20mmの一辺を持つ正方形のとき、最大曲げ応力は最大せん断応力の何倍になるか求める。

2. 解き方の手順

(1) SFDとBMDの描画:
* 支点反力 RAR_A とモーメント反力 MAM_A を求める。
* 力の釣り合い: RA+P=0-R_A + P = 0 より、 RA=PR_A = P
* モーメントの釣り合い: MAPl=0-M_A - Pl = 0 より、 MA=PlM_A = -Pl
* せん断力図 (SFD) は、支点から先端に向かって一定値 PP であり、正の値となる。
* 曲げモーメント図 (BMD) は、支点から先端に向かって線形に変化し、支点で Pl-Pl 、先端で 0 となる。負の値となる。
(2) 最大曲げ応力 σmax\sigma_{max} と最大せん断応力 τmax\tau_{max} の算出:
* 最大曲げモーメントは、支点において Mmax=Pl|M_{max}| = Pl となる。
* 断面二次モーメント II は、一辺 aa の正方形断面なので、 I=a412I = \frac{a^4}{12}
* 断面係数 ZZ は、 Z=Iymax=a4/12a/2=a36Z = \frac{I}{y_{max}} = \frac{a^4/12}{a/2} = \frac{a^3}{6} (ここで、ymax=a/2y_{max}=a/2は中立軸から最外縁までの距離)
* 最大曲げ応力 σmax\sigma_{max} は、 σmax=MmaxZ=Pla3/6=6Pla3\sigma_{max} = \frac{|M_{max}|}{Z} = \frac{Pl}{a^3/6} = \frac{6Pl}{a^3}
* 最大せん断力は PP である。
* 断面積 AA は、正方形断面なので A=a2A = a^2
* 平均せん断応力 τavg\tau_{avg} は、 τavg=PA=Pa2\tau_{avg} = \frac{P}{A} = \frac{P}{a^2}
* 正方形断面の場合、最大せん断応力は平均せん断応力の1.5倍となるので、 τmax=1.5τavg=3P2a2\tau_{max} = 1.5\tau_{avg} = \frac{3P}{2a^2}
(3) 最大曲げ応力は最大せん断応力の何倍か:
* σmaxτmax=6Pl/a33P/(2a2)=6Pla32a23P=4la\frac{\sigma_{max}}{\tau_{max}} = \frac{6Pl/a^3}{3P/(2a^2)} = \frac{6Pl}{a^3} \cdot \frac{2a^2}{3P} = \frac{4l}{a}
* l=80 cm=800 mm,a=20 mml = 80 \text{ cm} = 800 \text{ mm}, a = 20 \text{ mm} を代入すると、 σmaxτmax=480020=320020=160\frac{\sigma_{max}}{\tau_{max}} = \frac{4 \cdot 800}{20} = \frac{3200}{20} = 160

3. 最終的な答え

* 最大曲げ応力 σmax=6Pla3\sigma_{max} = \frac{6Pl}{a^3}
* 最大せん断応力 τmax=3P2a2\tau_{max} = \frac{3P}{2a^2}
* 最大曲げ応力は最大せん断応力の160倍

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