質量 $m$ のおもりが長さ $L$ の棒でぶら下げられた振り子について、以下の問題を解きます。 (1) 抵抗がない場合 ($c=0$) の振り子の周期 $T_0$ を求めます。次に、支点の $y$ 座標 $y_0$ が等加速度運動 $y_0 = \frac{1}{2}at^2 + V_0 t$ をする場合の周期 $T_a$ を求めます。 (2) 振り子の振れ角 $\theta$ が小さいとして運動方程式を導き、$\frac{d^2\theta}{dt^2} = P\theta + Q\frac{d\theta}{dt} + R$ の形に整理します。係数 $P, Q, R$ を $m, L, V_0, c, t, g$ で表します。 (3) 減衰振動が起こる条件 $0 < c < c_0$ のとき、$c_0$ を $m, L, V_0, g$ で表します。 (4) $c = m\sqrt{\frac{g}{L}}$, $V_0 = \frac{1}{2}\sqrt{gL}$ のとき、時刻 $t=0$ でおもりが $(0,L)$ の位置にあり、速度が $(U_0, -V_0)$ であったとするときの $\theta(t)$ を $m, L, t, g$ で表します。

はい、承知いたしました。問題を解いていきます。

1. 問題の内容

質量 $m$ のおもりが長さ $L$ の棒でぶら下げられた振り子について、以下の問題を解きます。

(1) 抵抗がない場合 ($c=0$) の振り子の周期 $T_0$ を求めます。次に、支点の $y$ 座標 $y_0$ が等加速度運動 $y_0 = \frac{1}{2}at^2 + V_0 t$ をする場合の周期 $T_a$ を求めます。

(2) 振り子の振れ角 $\theta$ が小さいとして運動方程式を導き、$\frac{d^2\theta}{dt^2} = P\theta + Q\frac{d\theta}{dt} + R$ の形に整理します。係数 $P, Q, R$ を $m, L, V_0, c, t, g$ で表します。

(3) 減衰振動が起こる条件 $0 < c < c_0$ のとき、$c_0$ を $m, L, V_0, g$ で表します。

(4) $c = m\sqrt{\frac{g}{L}}$, $V_0 = \frac{1}{2}\sqrt{gL}$ のとき、時刻 $t=0$ でおもりが $(0,L)$ の位置にあり、速度が $(U_0, -V_0)$ であったとするときの $\theta(t)$ を $m, L, t, g$ で表します。

2. 解き方の手順

(1) $c=0$ の場合

* 支点が静止している場合、振り子の周期は $T_0 = 2\pi\sqrt{\frac{L}{g}}$ です。

* 支点が等加速度運動している場合、有効重力加速度 $g'$ を $g' = g + a$ で置き換える必要があります。したがって、周期は $T_a = 2\pi\sqrt{\frac{L}{g+a}}$ です。

(2) 運動方程式

* 振り子の運動方程式は $mL^2\frac{d^2\theta}{dt^2} = -mgL\sin\theta - cL\frac{d\theta}{dt}$ です。

* $\sin\theta \approx \theta$ と近似すると、$mL^2\frac{d^2\theta}{dt^2} = -mgL\theta - cL\frac{d\theta}{dt}$ となります。

* $\frac{d^2\theta}{dt^2} = -\frac{g}{L}\theta - \frac{c}{mL}\frac{d\theta}{dt}$ と整理できます。

* 支点が $y_0 = V_0 t$ で下降している場合、鉛直方向の重力加速度は $g$ から変化しません。したがって、$P = -\frac{g}{L}$, $Q = -\frac{c}{mL}$, $R=0$ となります。

(3) 減衰振動の条件

* 減衰振動の条件は、減衰係数が小さいことです。

* $\frac{d^2\theta}{dt^2} + \frac{c}{mL}\frac{d\theta}{dt} + \frac{g}{L}\theta = 0$ の特性方程式は $\lambda^2 + \frac{c}{mL}\lambda + \frac{g}{L} = 0$ です。

* 判別式 $D = (\frac{c}{mL})^2 - 4\frac{g}{L} < 0$ であれば減衰振動します。

* $c^2 < 4m^2\frac{g}{L}$ より、$c < 2m\sqrt{\frac{g}{L}}$ となります。

* したがって、$c_0 = 2m\sqrt{\frac{g}{L}}$ です。

(4) $\theta(t)$ の計算

* $\frac{d^2\theta}{dt^2} + \frac{c}{mL}\frac{d\theta}{dt} + \frac{g}{L}\theta = 0$ に $c = m\sqrt{\frac{g}{L}}$ を代入すると、$\frac{d^2\theta}{dt^2} + \sqrt{\frac{g}{L}}\frac{d\theta}{dt} + \frac{g}{L}\theta = 0$ となります。

* 特性方程式 $\lambda^2 + \sqrt{\frac{g}{L}}\lambda + \frac{g}{L} = 0$ の解は $\lambda = \frac{-\sqrt{\frac{g}{L}} \pm \sqrt{\frac{g}{L} - 4\frac{g}{L}}}{2} = \frac{-\sqrt{\frac{g}{L}} \pm i\sqrt{3\frac{g}{L}}}{2}$ です。

* したがって、$\theta(t) = e^{-\frac{1}{2}\sqrt{\frac{g}{L}}t}(A\cos(\frac{\sqrt{3}}{2}\sqrt{\frac{g}{L}}t) + B\sin(\frac{\sqrt{3}}{2}\sqrt{\frac{g}{L}}t))$ となります。

* 初期条件 $\theta(0) = 0$ より $A=0$ です。

* $\frac{d\theta}{dt} = -\frac{1}{2}\sqrt{\frac{g}{L}}e^{-\frac{1}{2}\sqrt{\frac{g}{L}}t}B\sin(\frac{\sqrt{3}}{2}\sqrt{\frac{g}{L}}t) + e^{-\frac{1}{2}\sqrt{\frac{g}{L}}t}B\frac{\sqrt{3}}{2}\sqrt{\frac{g}{L}}\cos(\frac{\sqrt{3}}{2}\sqrt{\frac{g}{L}}t)$ です。

* $x$方向の速度が$U_0$、$y$方向の速度が$-V_0$のとき、$x$方向の速度成分から$L\frac{d\theta}{dt}|_{t=0}=U_0$が成り立ちます。よって、$\frac{d\theta}{dt}|_{t=0} = \frac{U_0}{L}$です。

* したがって、$\frac{U_0}{L} = B\frac{\sqrt{3}}{2}\sqrt{\frac{g}{L}}$ より、$B = \frac{2U_0}{\sqrt{3gL}}$ となります。

* $\theta(t) = \frac{2U_0}{\sqrt{3gL}}e^{-\frac{1}{2}\sqrt{\frac{g}{L}}t}\sin(\frac{\sqrt{3}}{2}\sqrt{\frac{g}{L}}t)$ となります。

3. 最終的な答え

(1) $T_0 = 2\pi\sqrt{\frac{L}{g}}$, $T_a = 2\pi\sqrt{\frac{L}{g+a}}$

(2) $P = -\frac{g}{L}$, $Q = -\frac{c}{mL}$, $R=0$

(3) $c_0 = 2m\sqrt{\frac{g}{L}}$

(4) $\theta(t) = \frac{2U_0}{\sqrt{3gL}}e^{-\frac{1}{2}\sqrt{\frac{g}{L}}t}\sin(\frac{\sqrt{3}}{2}\sqrt{\frac{g}{L}}t)$