慣性系S(x,y,z)のz軸周りに角速度$\omega$で回転する座標系S'(x',y',z')における質量mの質点の運動方程式が与えられています。 ``` m*x'' = Fx' + m*ω^2*x' + 2*m*ω*y' m*y'' = Fy' + m*ω^2*y' - 2*m*ω*x' m*z'' = Fz' ``` (1) この運動方程式に基づいて、遠心力の大きさを求め、その向きを説明してください。 (2) この運動方程式に基づいて、コリオリ力がS'系の速度に垂直に働くことを示し、コリオリ力の向きを説明してください。
2025/7/18
1. 問題の内容
慣性系S(x,y,z)のz軸周りに角速度で回転する座標系S'(x',y',z')における質量mの質点の運動方程式が与えられています。
```
m*x'' = Fx' + m*ω^2*x' + 2*m*ω*y'
m*y'' = Fy' + m*ω^2*y' - 2*m*ω*x'
m*z'' = Fz'
```
(1) この運動方程式に基づいて、遠心力の大きさを求め、その向きを説明してください。
(2) この運動方程式に基づいて、コリオリ力がS'系の速度に垂直に働くことを示し、コリオリ力の向きを説明してください。
2. 解き方の手順
(1) 遠心力の大きさの計算と向きの説明
運動方程式から、遠心力は慣性力の一部として現れます。
遠心力は、 と の項から構成されます。
これらの項をベクトルで表すと、となります。
ここではそれぞれx', y'方向の単位ベクトルです。
したがって、遠心力の大きさは、
となります。ここで、はz'軸からの距離です。
遠心力の向きは、z'軸から遠ざかる方向、すなわち、回転軸から外向きに広がっていく方向です。
(2) コリオリ力の速度との垂直性の証明と向きの説明
運動方程式から、コリオリ力はとの項から構成されます。
これらの項をベクトルで表すと、となります。
ここではそれぞれx', y'方向の単位ベクトルです。
速度ベクトルはです。
したがって、コリオリ力は速度ベクトルに垂直です。
コリオリ力の向きは、速度ベクトルをz軸周りに90度回転させた方向になります。つまり、北半球では進行方向に対して右向きに、南半球では左向きに働きます。
もしくは、のベクトル積の方向になります。
3. 最終的な答え
(1) 遠心力の大きさ: , 向き: 回転軸から外向き
(2) コリオリ力は速度ベクトルに垂直, 向き: 速度ベクトルをz軸周りに90度回転させた方向