与えられた3つの不等式を示す問題です。 (1) $x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} - \frac{x^7}{7!} < \sin x < x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!}$ ($0 < x < \pi$) (2) $1 + x + \frac{x^2}{2!} + \dots + \frac{x^n}{n!} < e^x$ ($0 < x$, $n \in \mathbb{N}$) (3) $e^x < \frac{1}{1-x}$ ($0 < x < 1$)
2025/7/18
1. 問題の内容
与えられた3つの不等式を示す問題です。
(1) ()
(2) (, )
(3) ()
2. 解き方の手順
(1) の不等式について:
のマクローリン展開は次の通りです。
この展開の最初のいくつかの項を使うことで、 を近似できます。与えられた不等式は、 のマクローリン展開をある項で打ち切った近似の精度を示しています。
は、展開の打ち切り誤差が正になるように、十分多くの項を取ることで示すことができます。具体的には、 のマクローリン展開は交代級数であり、において各項の絶対値は減少していくため、Leibnizの交代級数判定法を用いることで証明できます。
同様に、 は、展開の打ち切り誤差が負になるように示すことができます。
(2) の不等式について:
のマクローリン展開は次の通りです。
において、各項 は正であるため、最初の 項の和は より小さくなります。すなわち、
(3) の不等式について:
のマクローリン展開を考えることで、 がわかります。
また、 は等比級数で展開できます。
()
のマクローリン展開と の等比級数展開を比較します。
のとき、 () ですから、 が成り立ちます。
3. 最終的な答え
(1) () が示された。
(2) (, ) が示された。
(3) () が示された。