## 問題の内容

解析学微分積分接線面積定積分関数のグラフ
2025/7/22
## 問題の内容
0<a<10 < a < 1 を満たす定数 aa がある。関数 f(x)=(xa)(x1)f(x) = (x-a)(x-1) のグラフを CC とする。CC 上の点 (1,0)(1, 0) における CC の接線を ll とする。CC0xa0 \leq x \leq a の部分と xx 軸および yy 軸で囲まれた図形の面積を SS とし、CCll および直線 x=ax=a で囲まれた図形の面積を TT とする。
(1) f(1)f'(1)aa を用いて表せ。また、ll の方程式を aa を用いて表せ。
(2) SSaa を用いて表せ。また、TTaa を用いて表せ。
(3) aa0<a<10 < a < 1 の範囲で変化するとき、S+TS+T の最小値を求めよ。また、そのときの aa の値を求めよ。
## 解き方の手順
(1) まず、f(x)f(x) を展開し、f(x)f'(x) を求める。その後、f(1)f'(1) を計算する。
f(x)=(xa)(x1)=x2(a+1)x+af(x) = (x-a)(x-1) = x^2 - (a+1)x + a
f(x)=2x(a+1)f'(x) = 2x - (a+1)
f(1)=2(a+1)=1af'(1) = 2 - (a+1) = 1 - a
次に、点 (1,0)(1, 0) における接線 ll の方程式を求める。接線の傾きは f(1)=1af'(1) = 1-a である。よって、ll の方程式は、
y0=(1a)(x1)y - 0 = (1-a)(x-1)
y=(1a)x(1a)y = (1-a)x - (1-a)
y=(1a)x+a1y = (1-a)x + a - 1
(2) SS を求める。SS は、0xa0 \leq x \leq a における f(x)f(x) の定積分(絶対値)である。0xa0 \leq x \leq a において f(x)0f(x) \leq 0 であるから、
S=0af(x)dx=0a(x2(a+1)x+a)dxS = -\int_0^a f(x) dx = -\int_0^a (x^2 - (a+1)x + a) dx
S=[13x312(a+1)x2+ax]0aS = -\left[ \frac{1}{3}x^3 - \frac{1}{2}(a+1)x^2 + ax \right]_0^a
S=(13a312(a+1)a2+a2)S = -\left( \frac{1}{3}a^3 - \frac{1}{2}(a+1)a^2 + a^2 \right)
S=13a3+12a3+12a2a2S = -\frac{1}{3}a^3 + \frac{1}{2}a^3 + \frac{1}{2}a^2 - a^2
S=16a312a2S = \frac{1}{6}a^3 - \frac{1}{2}a^2
次に、TT を求める。TT は、f(x)f(x)ll で囲まれた領域の ax1a \leq x \leq 1 の部分と、直線 x=ax=a で囲まれた領域の面積である。
g(x)=(1a)x+a1g(x) = (1-a)x + a - 1とおくと
T=a1(g(x)f(x))dxT = \int_a^1 (g(x) - f(x)) dx
T=a1((1a)x+a1(x2(a+1)x+a))dxT = \int_a^1 ((1-a)x + a - 1 - (x^2 - (a+1)x + a)) dx
T=a1(x2+2ax)dxT = \int_a^1 (-x^2 + 2ax) dx
T=[13x3+ax2]a1T = \left[ -\frac{1}{3}x^3 + ax^2 \right]_a^1
T=13+a(13a3+a3)T = -\frac{1}{3} + a - \left( -\frac{1}{3}a^3 + a^3 \right)
T=13+a+13a3a3=23a3+a13T = -\frac{1}{3} + a + \frac{1}{3}a^3 - a^3 = -\frac{2}{3}a^3 + a - \frac{1}{3}
(3) S+TS+T の最小値を求める。
S+T=(16a312a2)+(23a3+a13)S + T = (\frac{1}{6}a^3 - \frac{1}{2}a^2) + (-\frac{2}{3}a^3 + a - \frac{1}{3})
S+T=12a312a2+a13S + T = -\frac{1}{2}a^3 - \frac{1}{2}a^2 + a - \frac{1}{3}
h(a)=12a312a2+a13h(a) = -\frac{1}{2}a^3 - \frac{1}{2}a^2 + a - \frac{1}{3}とおく
h(a)=32a2a+1=12(3a2+2a2)h'(a) = -\frac{3}{2}a^2 - a + 1 = -\frac{1}{2}(3a^2 + 2a - 2)
h(a)=0h'(a) = 0 を解くと、3a2+2a2=03a^2 + 2a - 2 = 0
a=2±44(3)(2)6=2±286=1±73a = \frac{-2 \pm \sqrt{4 - 4(3)(-2)}}{6} = \frac{-2 \pm \sqrt{28}}{6} = \frac{-1 \pm \sqrt{7}}{3}
0<a<10 < a < 1 であるから、 a=1+73a = \frac{-1 + \sqrt{7}}{3}
a=1+73a = \frac{-1 + \sqrt{7}}{3} のとき、S+TS+T は最小値を取る。
S+T=12(1+73)312(1+73)2+(1+73)13S+T = -\frac{1}{2}(\frac{-1 + \sqrt{7}}{3})^3 - \frac{1}{2}(\frac{-1 + \sqrt{7}}{3})^2 + (\frac{-1 + \sqrt{7}}{3}) - \frac{1}{3}
この時h(a)h(a)の具体的な値は重要ではない。重要なのは最小値を取るaaの値である。
## 最終的な答え
(1) f(1)=1af'(1) = 1-a, l:y=(1a)x+a1l: y = (1-a)x + a - 1
(2) S=16a312a2S = \frac{1}{6}a^3 - \frac{1}{2}a^2, T=23a3+a13T = -\frac{2}{3}a^3 + a - \frac{1}{3}
(3) S+TS+T の最小値を取る aa の値は a=1+73a = \frac{-1 + \sqrt{7}}{3}

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