定数 $a>0$ が与えられたとき、以下の問題を解く。 (1) 関数 $y=\sqrt{a^2-x^2}$ のグラフの形状を求める。 (2) 定積分 $I=\int_0^a \sqrt{a^2-x^2} dx$ の値を求める。 (3) 定数 $a, b, c$ が与えられ、$a>0$ のとき、定積分 $J=\int_0^a (bx+c)\sqrt{a^2-x^2} dx$ の値を求める。

解析学定積分関数のグラフ置換積分円の方程式
2025/7/22

1. 問題の内容

定数 a>0a>0 が与えられたとき、以下の問題を解く。
(1) 関数 y=a2x2y=\sqrt{a^2-x^2} のグラフの形状を求める。
(2) 定積分 I=0aa2x2dxI=\int_0^a \sqrt{a^2-x^2} dx の値を求める。
(3) 定数 a,b,ca, b, c が与えられ、a>0a>0 のとき、定積分 J=0a(bx+c)a2x2dxJ=\int_0^a (bx+c)\sqrt{a^2-x^2} dx の値を求める。

2. 解き方の手順

(1) y=a2x2y=\sqrt{a^2-x^2} の両辺を2乗すると、y2=a2x2y^2 = a^2 - x^2 となる。これは、x2+y2=a2x^2 + y^2 = a^2 を表し、中心が原点、半径が aa の円の方程式である。ただし、y0y \ge 0 であるから、y=a2x2y=\sqrt{a^2-x^2} のグラフは、上半円である。
(2) 定積分 I=0aa2x2dxI=\int_0^a \sqrt{a^2-x^2} dx は、(1)で求めた上半円の x=0x=0 から x=ax=a までの部分の面積を表す。これは半径 aa の円の面積の1/4に相当する。したがって、
I=14πa2I = \frac{1}{4}\pi a^2 となる。
(3) 定積分 J=0a(bx+c)a2x2dxJ=\int_0^a (bx+c)\sqrt{a^2-x^2} dx を計算する。
J=0abxa2x2dx+0aca2x2dxJ = \int_0^a bx\sqrt{a^2-x^2} dx + \int_0^a c\sqrt{a^2-x^2} dx
第1項を J1J_1、第2項を J2J_2 とすると、J=J1+J2J = J_1 + J_2 である。
J1=0abxa2x2dxJ_1 = \int_0^a bx\sqrt{a^2-x^2} dx において、u=a2x2u = a^2 - x^2 と置換すると、du=2xdxdu = -2x dx より、xdx=12duxdx = -\frac{1}{2}du となる。
x=0x=0 のとき u=a2u = a^2x=ax=a のとき u=0u=0 であるから、
J1=a20bu(12)du=b20a2udu=b2[23u3/2]0a2=b223a3=ba33J_1 = \int_{a^2}^0 b\sqrt{u} (-\frac{1}{2}) du = \frac{b}{2} \int_0^{a^2} \sqrt{u} du = \frac{b}{2} [\frac{2}{3}u^{3/2}]_0^{a^2} = \frac{b}{2} \cdot \frac{2}{3} a^3 = \frac{ba^3}{3}
J2=0aca2x2dx=c0aa2x2dx=cI=c14πa2=cπa24J_2 = \int_0^a c\sqrt{a^2-x^2} dx = c\int_0^a \sqrt{a^2-x^2} dx = cI = c \cdot \frac{1}{4} \pi a^2 = \frac{c\pi a^2}{4}
したがって、J=J1+J2=ba33+cπa24J = J_1 + J_2 = \frac{ba^3}{3} + \frac{c\pi a^2}{4}

3. 最終的な答え

(1) y=a2x2y = \sqrt{a^2 - x^2} のグラフは、中心が原点、半径が aa の上半円である。
(2) I=πa24I = \frac{\pi a^2}{4}
(3) J=ba33+cπa24J = \frac{ba^3}{3} + \frac{c\pi a^2}{4}

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