関数 $f(x) = \tan^{-1}x$ の3次の項までのマクローリン展開を求めよ。ただし、剰余項$R_4$は求めなくてよい。

解析学マクローリン展開テイラー展開逆三角関数微分
2025/7/22

1. 問題の内容

関数 f(x)=tan1xf(x) = \tan^{-1}x の3次の項までのマクローリン展開を求めよ。ただし、剰余項R4R_4は求めなくてよい。

2. 解き方の手順

マクローリン展開は、関数f(x)f(x)x=0x=0の周りでテイラー展開したものである。すなわち、
f(x)=f(0)+f(0)x+f(0)2!x2+f(0)3!x3+f(x) = f(0) + f'(0)x + \frac{f''(0)}{2!}x^2 + \frac{f'''(0)}{3!}x^3 + \cdots
である。今回は3次の項までを求めればよいので、関数f(x)f(x)の0次から3次までの微分を求め、それぞれx=0x=0を代入すればよい。
まず、f(x)=tan1xf(x) = \tan^{-1}xであるから、
f(0)=tan10=0f(0) = \tan^{-1}0 = 0
次に、f(x)f(x)の微分を計算する。
f(x)=11+x2f'(x) = \frac{1}{1+x^2}
したがって、
f(0)=11+02=1f'(0) = \frac{1}{1+0^2} = 1
さらに、f(x)f'(x)を微分すると、
f(x)=2x(1+x2)2f''(x) = -\frac{2x}{(1+x^2)^2}
したがって、
f(0)=2(0)(1+02)2=0f''(0) = -\frac{2(0)}{(1+0^2)^2} = 0
さらに、f(x)f''(x)を微分すると、
f(x)=2(1+x2)22x2(1+x2)(2x)(1+x2)4=2(1+x2)8x2(1+x2)3=6x22(1+x2)3f'''(x) = -\frac{2(1+x^2)^2 - 2x \cdot 2(1+x^2)(2x)}{(1+x^2)^4} = -\frac{2(1+x^2) - 8x^2}{(1+x^2)^3} = \frac{6x^2 - 2}{(1+x^2)^3}
したがって、
f(0)=6(0)22(1+02)3=2f'''(0) = \frac{6(0)^2 - 2}{(1+0^2)^3} = -2
これらの結果をマクローリン展開の式に代入すると、
f(x)=0+1x+02!x2+23!x3+=x13x3+f(x) = 0 + 1 \cdot x + \frac{0}{2!}x^2 + \frac{-2}{3!}x^3 + \cdots = x - \frac{1}{3}x^3 + \cdots

3. 最終的な答え

x13x3x - \frac{1}{3}x^3

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