$f(x) = x^2 + ax + b$ とする。$x^{2025}$ を $f(x)$ で割った余りが $2x+1$ であり、$x^{2026}$ を $f(x)$ で割った余りが $x+2$ となるような $a, b$ は存在しないことを示せ。

1. 問題の内容

$f(x) = x^2 + ax + b$ とする。$x^{2025}$ を $f(x)$ で割った余りが $2x+1$ であり、$x^{2026}$ を $f(x)$ で割った余りが $x+2$ となるような $a, b$ は存在しないことを示せ。

2. 解き方の手順

$x^{2025}$ を $f(x)$ で割った商を $q_1(x)$、 $x^{2026}$ を $f(x)$ で割った商を $q_2(x)$ とすると、以下の式が成り立つ。

$x^{2025} = f(x)q_1(x) + 2x + 1$

$x^{2026} = f(x)q_2(x) + x + 2$

1番目の式に $x$ を掛けると、

$x^{2026} = xf(x)q_1(x) + 2x^2 + x$

この式を2番目の式から引くと、

$0 = xf(x)q_1(x) - f(x)q_2(x) + 2x^2 + x - (x+2)$

$0 = f(x)(xq_1(x) - q_2(x)) + 2x^2 - 2$

$f(x)(q_2(x) - xq_1(x)) = 2x^2 - 2 = 2(x^2 - 1) = 2(x-1)(x+1)$

$f(x) = x^2 + ax + b$ なので、

$(x^2+ax+b)(q_2(x)-xq_1(x)) = 2(x-1)(x+1)$

左辺は2次式 $x^2 + ax + b$ と多項式の積であり、右辺は2次式 $2(x-1)(x+1) = 2x^2 - 2$ である。

したがって、$q_2(x) - xq_1(x)$ は定数である。これを $k$ とおく。

$f(x)k = 2(x-1)(x+1)$

$(x^2+ax+b)k = 2x^2 - 2$

$kx^2 + akx + bk = 2x^2 - 2$

係数を比較すると、$k = 2$, $ak = 0$, $bk = -2$

$2a = 0$ より $a = 0$

$2b = -2$ より $b = -1$

したがって、$f(x) = x^2 - 1$

このとき、

$x^{2025} = (x^2-1)q_1(x) + 2x+1$

$x^{2025} - (2x+1) = (x^2-1)q_1(x)$

$x^{2025} - 2x - 1 = (x-1)(x+1)q_1(x)$

$x=1$ を代入すると、$1 - 2 - 1 = 0$ となり、$x=1$ は左辺の解である。

$x=-1$ を代入すると、$(-1)^{2025} - 2(-1) - 1 = -1 + 2 - 1 = 0$ となり、$x=-1$ は左辺の解である。

したがって、$f(x) = x^2 - 1$ はありえる。

しかし、$x^{2025} = (x^2-1)q_1(x) + 2x+1$ かつ $x^{2026} = (x^2-1)q_2(x) + x+2$ が同時に成り立つ必要がある。

$f(x) = x^2 - 1$ を代入する。

$x^{2026} = (x^2-1)q_2(x) + x+2$

$x^{2026} - x - 2 = (x^2-1)q_2(x)$

$x^{2026} - x - 2 = (x-1)(x+1)q_2(x)$

$x=1$ を代入すると、$1 - 1 - 2 = -2 \neq 0$ なので、矛盾する。

$x=-1$ を代入すると、$1 - (-1) - 2 = 0$ であるが、 $q_2(x)$ を求めることができるとは限らない。

$a=0, b=-1$ が存在すると仮定すると矛盾が生じるため、そのような $a, b$ は存在しない。

3. 最終的な答え

そのような $a, b$ は存在しない。