関数 $y = -3\sin x + \sqrt{3}\cos x$ の、$0 \le x \le 2\pi$ における最大値と最小値を求めよ。

1. 問題の内容

関数 $y = -3\sin x + \sqrt{3}\cos x$ の、$0 \le x \le 2\pi$ における最大値と最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

三角関数の合成を用いて、$y$ を $y = r\sin(x+\alpha)$ の形に変形する。

まず、合成の公式 $a\sin x + b\cos x = \sqrt{a^2 + b^2}\sin(x+\alpha)$ を用いる。ただし、$\cos\alpha = \frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}$、$\sin\alpha = \frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}$ である。

この問題では、$a=-3$、$b=\sqrt{3}$ であるから、

$\sqrt{a^2+b^2} = \sqrt{(-3)^2 + (\sqrt{3})^2} = \sqrt{9+3} = \sqrt{12} = 2\sqrt{3}$

したがって、

$y = 2\sqrt{3} \left( -\frac{3}{2\sqrt{3}} \sin x + \frac{\sqrt{3}}{2\sqrt{3}} \cos x \right)$

$y = 2\sqrt{3} \left( -\frac{\sqrt{3}}{2} \sin x + \frac{1}{2} \cos x \right)$

ここで、$\cos\alpha = -\frac{\sqrt{3}}{2}$ かつ $\sin\alpha = \frac{1}{2}$ を満たす $\alpha$ を考えると、$\alpha = \frac{5}{6}\pi$ である。

よって、$y = 2\sqrt{3}\sin(x+\frac{5}{6}\pi)$ となる。

$0 \le x \le 2\pi$ より、$\frac{5}{6}\pi \le x+\frac{5}{6}\pi \le 2\pi + \frac{5}{6}\pi = \frac{17}{6}\pi$ である。

したがって、$-1 \le \sin(x+\frac{5}{6}\pi) \le 1$ であるから、

$-2\sqrt{3} \le y \le 2\sqrt{3}$ となる。

$\sin(x+\frac{5}{6}\pi) = 1$ のとき、つまり $x+\frac{5}{6}\pi = \frac{\pi}{2} + 2n\pi$ (nは整数) のとき、$y$ は最大値 $2\sqrt{3}$ をとる。

このとき、$x = \frac{\pi}{2} - \frac{5}{6}\pi + 2n\pi = -\frac{\pi}{3} + 2n\pi$ であり、$0 \le x \le 2\pi$ を満たすのは $x = \frac{5}{3}\pi$ のときである。

$\sin(x+\frac{5}{6}\pi) = -1$ のとき、つまり $x+\frac{5}{6}\pi = \frac{3}{2}\pi + 2n\pi$ (nは整数) のとき、$y$ は最小値 $-2\sqrt{3}$ をとる。

このとき、$x = \frac{3}{2}\pi - \frac{5}{6}\pi + 2n\pi = \frac{4}{6}\pi + 2n\pi = \frac{2}{3}\pi + 2n\pi$ であり、$0 \le x \le 2\pi$ を満たすのは $x = \frac{2}{3}\pi$ のときである。

3. 最終的な答え

最大値: $2\sqrt{3}$ ($x=\frac{5}{3}\pi$ のとき)

最小値: $-2\sqrt{3}$ ($x=\frac{2}{3}\pi$ のとき)