## 解答
###
1. 問題の内容
1. 関数 $f(x) = \frac{x-a}{x^2 + a^2}$ (ただし $a>0$) の最大値と最小値の差が $1$ となるように、定数 $a$ の値を定める。
2. $a$ を正の定数とするとき、 $x$ の方程式 $\frac{1}{x} = a^x$ の異なる実数解の個数を調べる。
3. 平均値の定理を用いて、不等式 $|\cos x - \cos y| \leq |x-y|$ を証明する。
4. 時刻 $t \geq 0$ における体積 $V$ が関数 $V = 12\pi(t+2)$ で与えられる球がある。この球の時刻 $t=1$ における、半径 $r$ の増大する速さ、および表面積 $S$ の増大する速さを求める。
###
2. 解き方の手順
####
1. 関数 $f(x)$ の最大値と最小値
関数 の最大値と最小値を求めるために、まず微分します。
となる を求めます。
と で は極値を持ちます。です。
.
.
は最大値、 は最小値です。
最大値と最小値の差が であるから、
よって .
####
2. 方程式 $\frac{1}{x} = a^x$ の実数解の個数
と のグラフの交点の個数を調べる。
グラフを描いて考えます。 は双曲線で、 は指数関数。
なので、 は常に正の値を取ります。
のとき、 は単調減少、 も単調増加または単調減少なので、交点は高々1つ。
のとき、 は単調増加で、 は単調増加または単調減少なので、交点は高々1つ。
のとき、 なので、に1つだけ。
のとき、 は単調増加。
のとき、 は単調減少。
が大きくなるほど は小さくなるので、 の領域で交点を持つ可能性が高い。
とおくと、
は常に負なので、 は単調減少。
したがって、 となる は高々1つ。
で となる が存在するかどうかを調べます。
のとき、 なので、。
この問題は、実数解の個数を具体的に求めるのは難しい。グラフを描画して、 と の交点を考えるのが良い。交点の個数は、おそらく1つとなる。
####
3. 平均値の定理による不等式の証明
平均値の定理より、ある が と の間に存在して、
したがって、
両辺の絶対値を取ると、
であるから、
####
4. 球の半径と表面積の増大速度
のとき、
のとき、
###