与えられた二重積分について、積分範囲の図示、積分順序の変更、関数が具体的に与えられた場合の積分の計算を行う問題です。

解析学二重積分積分範囲積分順序の変更積分計算
2025/8/5
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4. 下の積分式について、次の問いに答えよ。

01(0yf(x,y)dx)dy\int_{0}^{1} \left( \int_{0}^{\sqrt{y}} f(x,y) dx \right) dy
**(1) 積分範囲を図示せよ。**
**(2) 積分の順序を変更して積分式を表せ。**
**(3) f(x,y)=x2+yf(x, y) = x^2 + y のとき、上の積分を求めよ。**

1. 問題の内容

与えられた二重積分について、積分範囲の図示、積分順序の変更、関数が具体的に与えられた場合の積分の計算を行う問題です。

2. 解き方の手順

(1) 積分範囲の図示
与えられた積分 01(0yf(x,y)dx)dy\int_{0}^{1} \left( \int_{0}^{\sqrt{y}} f(x,y) dx \right) dy から、積分範囲を読み取ります。
* yの積分範囲: 0y10 \leq y \leq 1
* xの積分範囲: 0xy0 \leq x \leq \sqrt{y}
x=yx = \sqrt{y}y=x2y = x^2 と書き換えます。積分範囲は、xy平面上の領域で、0y10 \leq y \leq 1 かつ 0xy0 \leq x \leq \sqrt{y}、すなわち 0x10 \leq x \leq 1 かつ x2y1x^2 \leq y \leq 1 です。
(2) 積分の順序の変更
積分の順序を変更するには、積分範囲をxで先に積分するように書き換えます。
上記より、0x10 \leq x \leq 1 かつ x2y1x^2 \leq y \leq 1 なので、積分は次のようになります。
01(x21f(x,y)dy)dx\int_{0}^{1} \left( \int_{x^2}^{1} f(x,y) dy \right) dx
(3) f(x,y)=x2+yf(x, y) = x^2 + y のときの積分の計算
f(x,y)=x2+yf(x, y) = x^2 + y を与えられた積分に代入し、積分を計算します。
まず、元の積分について計算します。
01(0y(x2+y)dx)dy=01[x33+xy]0ydy\int_{0}^{1} \left( \int_{0}^{\sqrt{y}} (x^2 + y) dx \right) dy = \int_{0}^{1} \left[ \frac{x^3}{3} + xy \right]_{0}^{\sqrt{y}} dy
=01(y3/23+y3/2)dy=0143y3/2dy= \int_{0}^{1} \left( \frac{y^{3/2}}{3} + y^{3/2} \right) dy = \int_{0}^{1} \frac{4}{3} y^{3/2} dy
=43[25y5/2]01=4325=815= \frac{4}{3} \left[ \frac{2}{5} y^{5/2} \right]_{0}^{1} = \frac{4}{3} \cdot \frac{2}{5} = \frac{8}{15}
次に、積分順序を変更した後の積分について計算します。
01(x21(x2+y)dy)dx=01[x2y+y22]x21dx\int_{0}^{1} \left( \int_{x^2}^{1} (x^2 + y) dy \right) dx = \int_{0}^{1} \left[ x^2y + \frac{y^2}{2} \right]_{x^2}^{1} dx
=01(x2+12x4x42)dx=01(x2+1232x4)dx= \int_{0}^{1} \left( x^2 + \frac{1}{2} - x^4 - \frac{x^4}{2} \right) dx = \int_{0}^{1} \left( x^2 + \frac{1}{2} - \frac{3}{2}x^4 \right) dx
=[x33+12x32x55]01=13+12310=10+15930=1630=815= \left[ \frac{x^3}{3} + \frac{1}{2}x - \frac{3}{2} \cdot \frac{x^5}{5} \right]_{0}^{1} = \frac{1}{3} + \frac{1}{2} - \frac{3}{10} = \frac{10 + 15 - 9}{30} = \frac{16}{30} = \frac{8}{15}

3. 最終的な答え

(1) 積分範囲の図示: xy平面上の領域で、0x10 \leq x \leq 1 かつ x2y1x^2 \leq y \leq 1
(2) 積分の順序を変更した積分式: 01(x21f(x,y)dy)dx\int_{0}^{1} \left( \int_{x^2}^{1} f(x,y) dy \right) dx
(3) f(x,y)=x2+yf(x, y) = x^2 + y のときの積分: 815\frac{8}{15}

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