放物線 $y = x^2 - 4x + 4$ と直線 $y = mx - m + 2$ について、次の問いに答えます。 (1) 直線が $m$ の値にかかわらず通る定点を求めます。 (2) 放物線と直線が異なる2点で交わることを示します。 (3) 交点の $x$ 座標を $\alpha$, $\beta$ ($\alpha < \beta$) とするとき、放物線と直線で囲まれた部分の面積 $S$ を $\alpha$, $\beta$ で表します。 (4) $S$ を $m$ で表し、$S$ の最小値とそのときの $m$ の値を求めます。

代数学二次関数放物線直線交点積分面積判別式解と係数の関係最大・最小
2025/8/12

1. 問題の内容

放物線 y=x24x+4y = x^2 - 4x + 4 と直線 y=mxm+2y = mx - m + 2 について、次の問いに答えます。
(1) 直線が mm の値にかかわらず通る定点を求めます。
(2) 放物線と直線が異なる2点で交わることを示します。
(3) 交点の xx 座標を α\alpha, β\beta (α<β\alpha < \beta) とするとき、放物線と直線で囲まれた部分の面積 SSα\alpha, β\beta で表します。
(4) SSmm で表し、SS の最小値とそのときの mm の値を求めます。

2. 解き方の手順

(1) 直線の式を mm について整理します。
y=mxm+2y = mx - m + 2mm について整理すると、
m(x1)(y2)=0m(x-1) - (y-2) = 0
この式が mm の値にかかわらず成立するためには、x1=0x-1 = 0 かつ y2=0y-2 = 0 でなければなりません。
よって、x=1x = 1, y=2y = 2 となり、定点は (1,2)(1, 2) です。
(2) 放物線と直線の式を連立させ、yy を消去します。
x24x+4=mxm+2x^2 - 4x + 4 = mx - m + 2
x2(m+4)x+m+2=0x^2 - (m+4)x + m + 2 = 0
判別式 DD を計算します。
D=(m+4)24(m+2)=m2+8m+164m8=m2+4m+8=(m+2)2+4D = (m+4)^2 - 4(m+2) = m^2 + 8m + 16 - 4m - 8 = m^2 + 4m + 8 = (m+2)^2 + 4
D=(m+2)2+4>0D = (m+2)^2 + 4 > 0 より、D>0D > 0 であるから、放物線と直線は異なる2点で交わります。
(3) 面積 SS は、積分を用いて計算します。
S=αβ{(mxm+2)(x24x+4)}dxS = \int_{\alpha}^{\beta} \{(mx - m + 2) - (x^2 - 4x + 4)\} dx
S=αβ(x2+(m+4)x(m+2))dx=αβ(x2(m+4)x+(m+2))dxS = \int_{\alpha}^{\beta} (-x^2 + (m+4)x - (m+2)) dx = - \int_{\alpha}^{\beta} (x^2 - (m+4)x + (m+2)) dx
ここで、x2(m+4)x+(m+2)=(xα)(xβ)x^2 - (m+4)x + (m+2) = (x - \alpha)(x - \beta) であることに注意します。
S=αβ(xα)(xβ)dx=16(βα)3S = - \int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta) dx = \frac{1}{6} (\beta - \alpha)^3
(4) 解と係数の関係より α+β=m+4\alpha + \beta = m + 4, αβ=m+2\alpha \beta = m + 2 なので、
(βα)2=(α+β)24αβ=(m+4)24(m+2)=m2+8m+164m8=m2+4m+8(\beta - \alpha)^2 = (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha \beta = (m+4)^2 - 4(m+2) = m^2 + 8m + 16 - 4m - 8 = m^2 + 4m + 8
(βα)2=m2+4m+8(\beta - \alpha)^2 = m^2 + 4m + 8 より、(βα)=m2+4m+8(\beta - \alpha) = \sqrt{m^2 + 4m + 8}
したがって、S=16(m2+4m+8)32S = \frac{1}{6} (m^2 + 4m + 8)^{\frac{3}{2}}
S=16((m+2)2+4)32S = \frac{1}{6} ((m+2)^2 + 4)^{\frac{3}{2}}
SSm=2m = -2 のとき最小値をとります。最小値は 16(4)32=168=43\frac{1}{6} (4)^{\frac{3}{2}} = \frac{1}{6} \cdot 8 = \frac{4}{3} です。

3. 最終的な答え

(1) (1,2)(1, 2)
(2) 異なる2点で交わる(証明は上記参照)
(3) S=16(βα)3S = \frac{1}{6}(\beta - \alpha)^3
(4) m=2m = -2 のとき最小値 43\frac{4}{3}

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