複素数 $\alpha$ の集合を求める問題です。条件は、$|z-i| \le 1$ を満たす全ての複素数 $z$ に対して、$\alpha z$ の実部が $-1$ 以上 $1$ 以下であることです。

代数学複素数複素平面絶対値不等式実部領域
2025/4/14

1. 問題の内容

複素数 α\alpha の集合を求める問題です。条件は、zi1|z-i| \le 1 を満たす全ての複素数 zz に対して、αz\alpha z の実部が 1-1 以上 11 以下であることです。

2. 解き方の手順

まず、z=x+yiz = x+yi, α=a+bi\alpha = a+bi とおきます。
条件zi1|z-i| \le 1 は、複素数平面上で中心が ii, 半径が 11 の円の内部と境界を表します。つまり、
x2+(y1)21x^2 + (y-1)^2 \le 1
αz=(a+bi)(x+yi)=(axby)+(ay+bx)i\alpha z = (a+bi)(x+yi) = (ax-by) + (ay+bx)i より、αz\alpha z の実部は axbyax-by です。
条件より、1axby1-1 \le ax-by \le 1 が、x2+(y1)21x^2 + (y-1)^2 \le 1 を満たす全ての x,yx, y について成立する必要があります。
x2+(y1)21x^2 + (y-1)^2 \le 1 は、 x=0,y=0x=0, y=0, x=0,y=2x=0, y=2, x=1,y=1x=1, y=1, x=1,y=1x=-1, y=1 などを満たします。
これらの点について、axbyax-by の値を計算します。
- (x,y)=(0,0)(x, y) = (0, 0) のとき、axby=0ax-by = 0
- (x,y)=(0,2)(x, y) = (0, 2) のとき、axby=2bax-by = -2b
- (x,y)=(1,1)(x, y) = (1, 1) のとき、axby=abax-by = a-b
- (x,y)=(1,1)(x, y) = (-1, 1) のとき、axby=abax-by = -a-b
条件より、12b1-1 \le -2b \le 1 なので、12b12-\frac{1}{2} \le b \le \frac{1}{2}.
1ab1-1 \le a-b \le 11ab1-1 \le -a-b \le 1 より、1+ba1+b-1+b \le a \le 1+b1ba1b-1-b \le a \le 1-b.
従って、max(1+b,1b)amin(1+b,1b)max(-1+b, -1-b) \le a \le min(1+b, 1-b).
つまり、1ba1b-1-|b| \le a \le 1-|b|.
α\alpha の存在範囲を複素数平面上に図示すると、
1/2b1/2-1/2 \le b \le 1/2 で、a=1ba = 1-|b|a=1+ba = -1+|b| で囲まれた領域になります。これは、(1,1/2),(1,1/2),(1,1/2),(1,1/2)(-1, -1/2), (-1, 1/2), (1, 1/2), (1, -1/2) を頂点とする四角形領域になります。

3. 最終的な答え

α=a+bi\alpha = a + bi の集合は、12b12-\frac{1}{2} \le b \le \frac{1}{2} かつ 1+ba1b-1+|b| \le a \le 1-|b| を満たす複素数 α\alpha 全体である。これは、複素数平面上で、四点 (1,1/2)(-1, -1/2), (1,1/2)(-1, 1/2), (1,1/2)(1, 1/2), (1,1/2)(1, -1/2) を頂点とする四角形の内部と境界である。

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