与えられた極限 $\lim_{x \to \pi} \frac{(x-\pi)^2}{1+\cos x}$ を計算する。

解析学極限ロピタルの定理三角関数
2025/4/17

1. 問題の内容

与えられた極限
limxπ(xπ)21+cosx\lim_{x \to \pi} \frac{(x-\pi)^2}{1+\cos x}
を計算する。

2. 解き方の手順

まず、x=πx=\piを代入してみると、分子は(xπ)2=(ππ)2=0(x-\pi)^2=(\pi-\pi)^2 = 0、分母は1+cos(π)=1+(1)=01+\cos(\pi) = 1+(-1) = 0となるため、不定形00\frac{0}{0}となる。したがって、ロピタルの定理を用いることができる。
分子をf(x)=(xπ)2f(x) = (x-\pi)^2、分母をg(x)=1+cosxg(x) = 1+\cos xとすると、
f(x)=2(xπ)f'(x) = 2(x-\pi)
g(x)=sinxg'(x) = -\sin x
となり、
limxπf(x)g(x)=limxπ2(xπ)sinx\lim_{x \to \pi} \frac{f'(x)}{g'(x)} = \lim_{x \to \pi} \frac{2(x-\pi)}{-\sin x}
再びx=πx=\piを代入すると、00\frac{0}{0}の不定形となるので、再度ロピタルの定理を適用する。
f(x)=2f''(x) = 2
g(x)=cosxg''(x) = -\cos x
よって、
limxπf(x)g(x)=limxπ2cosx=2cosπ=2(1)=21=2\lim_{x \to \pi} \frac{f''(x)}{g''(x)} = \lim_{x \to \pi} \frac{2}{-\cos x} = \frac{2}{-\cos \pi} = \frac{2}{-(-1)} = \frac{2}{1} = 2
別解として、xπ=tx-\pi=tとおくと、x=t+πx=t+\piとなり、xπx\to\piのとき、t0t\to 0となる。
limxπ(xπ)21+cosx=limt0t21+cos(t+π)\lim_{x \to \pi} \frac{(x-\pi)^2}{1+\cos x} = \lim_{t \to 0} \frac{t^2}{1+\cos(t+\pi)}
cos(t+π)=costcosπsintsinπ=cost\cos(t+\pi) = \cos t \cos \pi - \sin t \sin \pi = -\cos tだから、
limt0t21cost\lim_{t \to 0} \frac{t^2}{1-\cos t}
ここで、1cost=2sin2(t2)1-\cos t = 2\sin^2(\frac{t}{2})より
limt0t22sin2(t2)=limt0t22(t2)2=limt0t22t24=limt0t2t22=2\lim_{t \to 0} \frac{t^2}{2\sin^2(\frac{t}{2})} = \lim_{t \to 0} \frac{t^2}{2(\frac{t}{2})^2} = \lim_{t \to 0} \frac{t^2}{2\frac{t^2}{4}} = \lim_{t \to 0} \frac{t^2}{\frac{t^2}{2}} = 2

3. 最終的な答え

2

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