(1) 3次方程式 $\frac{1}{3}x^3 + \frac{3}{2}x^2 + 2x + 6 = 0$ の異なる実数解の個数を求めよ。 (2) $x \geq 0$ において、常に $x^3 + 3x + k \geq 2x^2$ が成り立つような定数 $k$ の値の範囲を求めよ。

1. 問題の内容

(1) 3次方程式 $\frac{1}{3}x^3 + \frac{3}{2}x^2 + 2x + 6 = 0$ の異なる実数解の個数を求めよ。

(2) $x \geq 0$ において、常に $x^3 + 3x + k \geq 2x^2$ が成り立つような定数 $k$ の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)

与えられた方程式は $\frac{1}{3}x^3 + \frac{3}{2}x^2 + 2x + 6 = 0$ である。両辺に6をかけて、係数を整数にする。

$2x^3 + 9x^2 + 12x + 36 = 0$

この式を $f(x) = 2x^3 + 9x^2 + 12x + 36$ とおく。

$f'(x) = 6x^2 + 18x + 12 = 6(x^2 + 3x + 2) = 6(x+1)(x+2)$

$f'(x) = 0$ となるのは $x = -1, -2$。

$f(-1) = -2 + 9 - 12 + 36 = 31 > 0$

$f(-2) = -16 + 36 - 24 + 36 = 32 > 0$

$x \to -\infty$ のとき $f(x) \to -\infty$ であり、$x \to \infty$ のとき $f(x) \to \infty$ である。

$f'(x) > 0$ となるのは $x < -2$ または $x > -1$

$f'(x) < 0$ となるのは $-2 < x < -1$

よって、$x=-2$ で極大値をとり、$x=-1$ で極小値をとる。

しかし、$x=-1, -2$ で $f(x) > 0$ なので、$f(x) = 0$ となる実数解は1つだけである。

(2)

$x^3 + 3x + k \geq 2x^2$

$k \geq -x^3 + 2x^2 - 3x$

$g(x) = -x^3 + 2x^2 - 3x$ とおくと、$x \geq 0$ において、$k \geq g(x)$ が常に成り立つ条件を求めれば良い。

$g'(x) = -3x^2 + 4x - 3$

判別式 $D = 4^2 - 4(-3)(-3) = 16 - 36 = -20 < 0$

よって、$g'(x) < 0$ である。

つまり、$g(x)$ は単調減少関数である。

$x \geq 0$ なので、$g(x)$ の最大値は $g(0) = 0$ となる。

したがって、$k \geq 0$ であれば、常に $x^3 + 3x + k \geq 2x^2$ が成り立つ。

3. 最終的な答え

(1) 1個

(2) $k \geq 0$