$x \to \infty$のとき、次の各組の関数について、どちらの関数がより速く増大するかを比の極限値を用いて調べる問題です。 (1) $e^{2x}$ と $10x^9 + 5x^5 + 2x^2 + 12$ (2) $\sqrt{x^4 + 1} + \sqrt{x}$ と $x$

解析学極限関数の増大指数関数多項式関数ロピタルの定理
2025/6/6

1. 問題の内容

xx \to \inftyのとき、次の各組の関数について、どちらの関数がより速く増大するかを比の極限値を用いて調べる問題です。
(1) e2xe^{2x}10x9+5x5+2x2+1210x^9 + 5x^5 + 2x^2 + 12
(2) x4+1+x\sqrt{x^4 + 1} + \sqrt{x}xx

2. 解き方の手順

(1) e2xe^{2x}10x9+5x5+2x2+1210x^9 + 5x^5 + 2x^2 + 12の場合:
xx \to \inftyでの極限を考えるため、それぞれの関数を比較します。
指数関数は多項式関数よりも早く増大します。
したがって、limx10x9+5x5+2x2+12e2x\lim_{x \to \infty} \frac{10x^9 + 5x^5 + 2x^2 + 12}{e^{2x}}を計算します。
ロピタルの定理を繰り返し用いることで、この極限は0に収束します。
limx10x9+5x5+2x2+12e2x=0\lim_{x \to \infty} \frac{10x^9 + 5x^5 + 2x^2 + 12}{e^{2x}} = 0
このことは、xx \to \inftyのとき、e2xe^{2x}の方が10x9+5x5+2x2+1210x^9 + 5x^5 + 2x^2 + 12よりも速く増大することを意味します。
(2) x4+1+x\sqrt{x^4 + 1} + \sqrt{x}xxの場合:
limxx4+1+xx\lim_{x \to \infty} \frac{\sqrt{x^4 + 1} + \sqrt{x}}{x}を計算します。
x4+1\sqrt{x^4+1}x2x^2のオーダーで、xx \to \inftyのときx\sqrt{x}は無視できるので、
limxx4+1x=limxx4(1+1x4)x=limxx21+1x4x=limxx1+1x4\lim_{x \to \infty} \frac{\sqrt{x^4 + 1}}{x} = \lim_{x \to \infty} \frac{\sqrt{x^4(1 + \frac{1}{x^4})}}{x} = \lim_{x \to \infty} \frac{x^2 \sqrt{1 + \frac{1}{x^4}}}{x} = \lim_{x \to \infty} x \sqrt{1 + \frac{1}{x^4}}となります。
limxx1+1x4=\lim_{x \to \infty} x \sqrt{1 + \frac{1}{x^4}} = \infty
したがって、xx \to \inftyのとき、x4+1+x\sqrt{x^4 + 1} + \sqrt{x}の方がxxよりも速く増大します。

3. 最終的な答え

(1) e2xe^{2x}
(2) x4+1+x\sqrt{x^4 + 1} + \sqrt{x}

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