問題9:Aを引くことを止めてからBがAに衝突する直前までの間の、Aが減速しているときの一定の加速度 $a'$ を、動摩擦係数 $\mu$、重力加速度 $g$ を用いて表す。水平右向きを正とする。 問題10:Aを引くことを止めてからBがAに衝突するまでの間に、Bが進んだ距離を、動摩擦係数 $\mu$、重力加速度 $g$、糸の長さ $L$、速さ $v$ を用いて表す。

応用数学力学運動方程式摩擦等加速度運動
2025/4/20

1. 問題の内容

問題9:Aを引くことを止めてからBがAに衝突する直前までの間の、Aが減速しているときの一定の加速度 aa' を、動摩擦係数 μ\mu、重力加速度 gg を用いて表す。水平右向きを正とする。
問題10:Aを引くことを止めてからBがAに衝突するまでの間に、Bが進んだ距離を、動摩擦係数 μ\mu、重力加速度 gg、糸の長さ LL、速さ vv を用いて表す。

2. 解き方の手順

問題9:
Aが減速するのは、床との間の動摩擦力による。
動摩擦力の大きさは、f=μNf = \mu N であり、NN は垂直抗力である。
Aの質量は mm なので、N=mgN = mg となる。したがって、動摩擦力は f=μmgf = \mu mg である。
Aに働く力は動摩擦力のみなので、運動方程式は ma=f=μmgma' = -f = -\mu mg となる(減速なのでマイナス)。
よって、a=μga' = -\mu g となる。
問題10:
Aが停止するまでの距離を xAx_A とする。初速度 vv、加速度 a=μga' = -\mu g で、速度が0になるまでの距離なので、等加速度運動の公式 v2v02=2axv^2 - v_0^2 = 2ax より、
0v2=2(μg)xA0 - v^2 = 2(-\mu g) x_A
xA=v22μgx_A = \frac{v^2}{2\mu g}
BがAに衝突するまでに進む距離を xBx_B とする。
Aが停止するまでの間に、Bは速度 vv で等速運動をする。
Aが停止するまでに移動した距離 xAx_A が、BがAに衝突するまでに移動する距離 xBx_B よりも短い場合と長い場合で場合分けをする。
場合1:xALx_A \le L の場合、つまり、v22μgL\frac{v^2}{2\mu g} \le L の場合。
BがAに衝突するまでの距離は xB=vt1x_B = v t_1 である。
AがBに衝突するまでの時間 t1t_1 は、L=vt1+12μgt12L = v t_1 + \frac{1}{2} \mu g t_1^2 を満たす。
xA=Lx_A = L より v2/(2μg)Lv^2 / (2 \mu g) \le Lなので、まず衝突すると考える。AとBの距離がLであるとき、Aが静止するまでBは等速運動すると考えられる。
この場合、v22μgLv^2 \leq 2\mu gLが成り立つ.
まず、衝突時刻をtとする。
位置について考えると、
vt(vt12μgt2)=Lvt - (vt-\frac{1}{2}\mu g t^2) = L
12μgt2=L\frac{1}{2}\mu g t^2 = L
t=2Lμgt = \sqrt{\frac{2L}{\mu g}}
距離はvt=v2Lμgvt = v\sqrt{\frac{2L}{\mu g}}
場合2:xA>Lx_A > L の場合、つまり、v22μg>L\frac{v^2}{2\mu g} > L の場合。
この場合、Aが距離 LL だけ進む時間を t2t_2 とすると、L=vt212μgt22L = vt_2 - \frac{1}{2} \mu g t_2^2
この時のBの移動距離は xB=vt2x_B = vt_2
t2=v±v22μgLμgt_2 = \frac{v \pm \sqrt{v^2 - 2\mu g L}}{\mu g}
t2t_2 は時間が小さい方なので、t2=vv22μgLμgt_2 = \frac{v - \sqrt{v^2 - 2\mu g L}}{\mu g}
したがって、xB=vt2=vvv22μgLμgx_B = vt_2 = v\frac{v - \sqrt{v^2 - 2\mu g L}}{\mu g}

3. 最終的な答え

問題9:
a=μga' = -\mu g
問題10:
v22μgLv^2 \leq 2\mu gLのときv2Lμgv\sqrt{\frac{2L}{\mu g}}
v2>2μgLv^2 > 2\mu gLのときvvv22μgLμgv\frac{v - \sqrt{v^2 - 2\mu g L}}{\mu g}

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