物理学における立式で $cos u, sin u, exp u, ln u$ などの数学的表記が出てくるが、$u$ はスカラー量であり、質量 $m$, 角周波数 $\omega$, 時間 $t$ などに依存する物理量である。$u$ が無次元量でなければならない理由を考察し、対数の場合はどう考えるべきか説明する。

応用数学物理学次元解析三角関数指数関数対数関数
2025/4/23

1. 問題の内容

物理学における立式で cosu,sinu,expu,lnucos u, sin u, exp u, ln u などの数学的表記が出てくるが、uu はスカラー量であり、質量 mm, 角周波数 ω\omega, 時間 tt などに依存する物理量である。uu が無次元量でなければならない理由を考察し、対数の場合はどう考えるべきか説明する。

2. 解き方の手順

(1) uu が無次元量でなければならない理由
三角関数(sinu,cosusin u, cos u)、指数関数(expuexp u)、対数関数(lnuln u)などの関数は、その引数 uu が無次元でなければ物理的に意味のある量とならない。
* **三角関数の場合:** sinusin ucosucos u は、単位円における角度 uu に対応する座標を表す。角度は次元を持たない無次元量である。もし uu が次元を持つ量(例えば、長さ)であれば、sinusin ucosucos u は角度に対応する座標を表さなくなるため、物理的な意味を失う。
* **指数関数の場合:** expu=euexp u = e^u は、自然対数の底 eeuu 乗したものである。もし uu が次元を持つ量(例えば、時間)であれば、ee を時間乗するという操作は物理的に意味をなさない。eue^u は無次元の数値でなければならない。
* **対数関数の場合:** lnuln u は、elnu=ue^{ln u} = u を満たす数である。指数関数の場合と同様に、対数関数の引数 uu が次元を持つ量(例えば、質量)であれば、ee をある数乗して質量になるという操作は物理的に意味をなさない。uu は無次元の数値でなければならない。
(2) 対数の場合
対数関数(lnuln u)の場合、引数 uu は無次元量である必要がある。しかし、物理量の対数をとりたい場合もある。その場合は、物理量 AA を基準となる物理量 A0A_0 で割って無次元化する必要がある。
例えば、物理量 AA の対数をとりたい場合、ln(A/A0)ln(A/A_0) という形にする。ここで、A0A_0AA と同じ次元を持つ基準となる量である。これにより、A/A0A/A_0 は無次元量となり、ln(A/A0)ln(A/A_0) は物理的に意味のある量となる。

3. 最終的な答え

物理学における立式で cosu,sinu,expu,lnucos u, sin u, exp u, ln u などの関数を使う場合、引数 uu は無次元量でなければならない。これは、これらの関数が物理的に意味のある量となるための必要条件である。対数関数の場合は、引数を無次元化するために、基準となる物理量で割る必要がある。

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