f(z)=x+iyx−iy を f(z)=u(x,y)+iv(x,y) の形に変形します。まず、分母の有理化を行います。 f(z)=x+iyx−iy=(x+iy)(x−iy)(x−iy)(x−iy)=x2+y2x2−2ixy−y2=x2+y2x2−y2−ix2+y22xy したがって、u(x,y)=x2+y2x2−y2 と v(x,y)=−x2+y22xy となります。 次に、コーシー・リーマンの関係式を確認します。
コーシー・リーマンの関係式は、以下の2つの式で表されます。
∂x∂u=∂y∂v ∂y∂u=−∂x∂v 各偏微分を計算します。
∂x∂u=(x2+y2)22x(x2+y2)−(x2−y2)2x=(x2+y2)24xy2 ∂y∂v=−(x2+y2)22x(x2+y2)−2xy(2y)=−(x2+y2)22x3+2xy2−4xy2=−(x2+y2)22x3−2xy2=(x2+y2)22x(y2−x2) ∂y∂u=(x2+y2)2−2y(x2+y2)−(x2−y2)2y=(x2+y2)2−2yx2−2y3−2yx2+2y3=(x2+y2)2−4yx2 ∂x∂v=−(x2+y2)22y(x2+y2)−2xy(2x)=−(x2+y2)22yx2+2y3−4x2y=−(x2+y2)2−2yx2+2y3=(x2+y2)22y(x2−y2) コーシー・リーマンの関係式が成立するかを確認します。
∂x∂u=∂y∂v⇒(x2+y2)24xy2=(x2+y2)22x(y2−x2)⇒2xy2=xy2−x3⇒xy2=−x3⇒x(y2+x2)=0 ∂y∂u=−∂x∂v⇒(x2+y2)2−4yx2=−(x2+y2)22y(x2−y2)⇒−2x2y=−yx2+y3⇒−yx2=y3⇒y(x2+y2)=0 したがって、x(x2+y2)=0 かつ y(x2+y2)=0 である必要があります。 x2+y2=0 なので、x=0 かつ y=0 でなければなりません。 しかし、(x,y)=(0,0) であるため、コーシー・リーマンの関係式は成立しません。