f(z)=x+iy を f(z)=u(x,y)+iv(x,y) と表すと、 u(x,y)=x v(x,y)=y となります。
コーシー・リーマンの方程式は以下の通りです。
∂x∂u=∂y∂v ∂y∂u=−∂x∂v それぞれの偏微分を計算します。
∂x∂u=∂x∂x=1 ∂y∂u=∂y∂x=0 ∂x∂v=∂x∂y=0 ∂y∂v=∂y∂y=1 コーシー・リーマンの方程式に代入すると、
となり、コーシー・リーマンの方程式は満たされます。
しかし、f′(z)を計算すると、 f′(z)=∂x∂u+i∂x∂v=1+i(0)=1 f′(z)=∂y∂v−i∂y∂u=1−i(0)=1 となり、 f′(z)は存在し、連続です。 したがって、f(z)=x+iy=zˉは(x,y)=(0,0)を含む全ての点で微分可能です。 しかし、複素微分可能性は、コーシー・リーマンの条件を満たすことだけでなく、偏導関数が連続であることも必要です。
f(z)=x+iy=zˉの偏導関数は全て定数であり連続です。したがって、 f(z)は(x,y)=(0,0)の全域で微分可能です。 しかし、f(z)=zˉは正則関数ではありません。 コーシー・リーマンの方程式を満たすことと、関数が微分可能であることは同値です。関数が正則であるためには、その関数が定義域の全ての点で微分可能である必要があります。