面積 $S = 100 \, \text{cm}^2$、間隔 $d = 1 \, \text{mm}$ の平行板コンデンサに $1000 \, \text{V}$ の電圧を加えたとき、導体板全体に働く静電気力 $F$ の方向と大きさを求める問題です。

応用数学電磁気学コンデンサ静電気力エネルギー
2025/5/14

1. 問題の内容

面積 S=100cm2S = 100 \, \text{cm}^2、間隔 d=1mmd = 1 \, \text{mm} の平行板コンデンサに 1000V1000 \, \text{V} の電圧を加えたとき、導体板全体に働く静電気力 FF の方向と大きさを求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、コンデンサの静電エネルギー UU を求めます。
U=12CV2U = \frac{1}{2}CV^2
ここで、CC はコンデンサの静電容量、VV は電圧です。平行板コンデンサの静電容量は、
C=ϵ0SdC = \epsilon_0 \frac{S}{d}
で与えられます。ここで、ϵ0\epsilon_0 は真空の誘電率であり、ϵ0=8.854×1012F/m\epsilon_0 = 8.854 \times 10^{-12} \, \text{F/m}です。
SSdd の単位を SI 単位系に変換します。
S=100cm2=100×(102m)2=102m2S = 100 \, \text{cm}^2 = 100 \times (10^{-2} \, \text{m})^2 = 10^{-2} \, \text{m}^2
d=1mm=1×103md = 1 \, \text{mm} = 1 \times 10^{-3} \, \text{m}
したがって、
C=(8.854×1012F/m)×102m2103m=8.854×1011FC = (8.854 \times 10^{-12} \, \text{F/m}) \times \frac{10^{-2} \, \text{m}^2}{10^{-3} \, \text{m}} = 8.854 \times 10^{-11} \, \text{F}
次に、静電エネルギー UU を計算します。
U=12(8.854×1011F)(1000V)2=4.427×105JU = \frac{1}{2} (8.854 \times 10^{-11} \, \text{F}) (1000 \, \text{V})^2 = 4.427 \times 10^{-5} \, \text{J}
導体板に働く静電気力 FF は、静電エネルギー UU を距離 dd で微分することで求められます。
F=dUddF = -\frac{dU}{dd}
ここで、U=12CV2=12ϵ0SdV2U = \frac{1}{2}CV^2 = \frac{1}{2}\epsilon_0 \frac{S}{d}V^2なので
F=12ϵ0Sd2V2=UdF = \frac{1}{2}\epsilon_0 \frac{S}{d^2}V^2 = \frac{U}{d}
F=4.427×105J103m=4.427×102N0.044NF = \frac{4.427 \times 10^{-5} \, \text{J}}{10^{-3} \, \text{m}} = 4.427 \times 10^{-2} \, \text{N} \approx 0.044 \, \text{N}
コンデンサの導体板間には正と負の電荷が蓄積されており、異符号の電荷は引き合うため、導体板に働く力は引き合う方向です。したがって、力は導体板が互いに引き合う方向に働きます。

3. 最終的な答え

静電気力の大きさ:0.044N0.044 \, \text{N}
方向:導体板が互いに引き合う方向

「応用数学」の関連問題

問題7の(2)と(3)を解きます。 (2) 36 km/hの自動車がブレーキをかけ、5 mで停止したときの加速度を求める。 (3) ある物体が右向きに動き出し、等加速度直線運動を続け10秒間に動いた距...

運動加速度等加速度運動物理
2025/5/15

初速度 $0.5 m/s$、加速度 $0.3 m/s^2$ で直線上を運動する物体の、6秒後の速さを求める問題です。

物理運動等加速度運動速度
2025/5/15

初速度 $0.5 \ m/s$、加速度 $0.3 \ m/s^2$ で直線上を運動する物体が、6秒間に何 $m$ 進むかを求める問題です。

物理運動等加速度運動公式
2025/5/15

与えられた方程式は、内部収益率(IRR)を求める問題です。方程式は次のとおりです。 $0 = -100 + \frac{60}{(1+r)} + \frac{50}{(1+r)^2} + \frac{...

内部収益率IRR数値計算金融
2025/5/15

ベクトル $\vec{a} = (0, 1, 2)$, $\vec{b} = (-3, 0, 1)$, $\vec{c} = (-2, 3, 0)$ が与えられたとき、ベクトル $\vec{p} = ...

ベクトル線形代数連立方程式空間ベクトル
2025/5/15

与えられた数値を科学表記に変換します。 (1) $73,500,000,000,000,000,000,000,000 \text{ kg}$ (2) $299,800,000 \text{ m/s}...

科学計算科学表記単位換算有効数字面積体積密度
2025/5/15

デルタ結線された三相交流回路に線間電圧200Vが加えられたとき、線電流 $I_L$、消費電力 $P$、無効電力 $P_r$、皮相電力 $P_a$、抵抗 $R$ を流れる電流 $I_R$を求める問題です...

電気回路三相交流インピーダンス電力
2025/5/15

(1) 電子の運動量を $p=mv$、プランク定数を $h$ としたとき、電子の波長 $\lambda$ との関係式(ド・ブロイの関係式)を求めよ。 (2) 電圧 $V$ で加速された電子の運動エネル...

物理ド・ブロイの関係式エネルギー保存則電磁気学波長運動エネルギー電子
2025/5/15

与えられた数式の値を計算します。数式は以下です。 $15 \times \frac{1.002((1.002)^{10}-1)}{1.002-1}$

計算金利計算指数計算
2025/5/15

ある地点で観測された地震波の記録から、地震波の種類、時間、震源距離などを求める問題です。具体的には、P波とS波の名称、到達時間差、主要動継続時間、およびこれらの情報から震源距離を計算する問題が含まれて...

地震物理公式計算震源距離
2025/5/15