M12のボルトをスパナで締め付けるとき、ボルトに生じる引張応力を求める問題です。 スパナには、ボルトの中心から180mmの位置に147.1Nの力が加わります。 摩擦係数はすべて0.15で、ナット座面の摩擦は1.45dの位置に集中するものとします。ここで、$d$はボルトの呼び径(mm)です。

応用数学力学応力トルク摩擦ボルトM12
2025/5/14

1. 問題の内容

M12のボルトをスパナで締め付けるとき、ボルトに生じる引張応力を求める問題です。 スパナには、ボルトの中心から180mmの位置に147.1Nの力が加わります。 摩擦係数はすべて0.15で、ナット座面の摩擦は1.45dの位置に集中するものとします。ここで、ddはボルトの呼び径(mm)です。

2. 解き方の手順

まず、スパナによるトルクを計算します。
トルク TT は、力 FF と距離 rr の積で求められます。
T=F×rT = F \times r
T=147.1 N×0.18 m=26.478 NmT = 147.1 \ N \times 0.18 \ m = 26.478 \ Nm
次に、ねじを締め付ける際のトルクと軸力の関係式を使用します。
T=K×F×dT = K \times F \times d
ここで、
TT はトルク (Nm)
KK はトルク係数
FF は軸力 (N)
dd はボルトの呼び径 (m)
トルク係数 KK は、摩擦係数 μ\mu とナット座面の摩擦半径から求められます。 一般的に、トルク係数は以下の式で近似できます。
K=dp2d(tanα+μ secβ1μ tanα secβ)+0.5μcdwdK = \frac{d_p}{2d} (\frac{tan \alpha + \mu \ sec \beta}{1 - \mu \ tan \alpha \ sec \beta}) + 0.5 \mu_c \frac{d_w}{d}
ここで、dpd_p はピッチ径、dd は呼び径、α\alpha はねじのリード角、β\beta はねじ山の角度、μ\mu はねじ面の摩擦係数、μc\mu_c は座面の摩擦係数、dwd_w は座面摩擦半径です。
ただし、今回の問題ではより簡略化した以下の式でトルク係数を計算します。
K=0.2K = 0.2
K=P2π+μsdm2+μcdc2K = \frac{P}{2\pi} + \frac{\mu_s d_m}{2} + \frac{\mu_c d_c}{2}
ここで、PP はねじのピッチ、dmd_m は有効径、μs\mu_s はねじの摩擦係数、μc\mu_c は座面の摩擦係数、dcd_c は座面の有効径です。
しかし、問題文に「まさつ係数はすべて0.15」とあるため、
K=P2π+0.15dm2+0.15×1.45d2dK = \frac{P}{2 \pi} + \frac{0.15 d_m}{2} + \frac{0.15 \times 1.45 d}{2d}
K=P2π+0.15dm2+0.15×1.452K = \frac{P}{2 \pi} + \frac{0.15 d_m}{2} + \frac{0.15 \times 1.45}{2}
M12のねじの場合、ピッチ P = 1.75mm、有効径 dmd_m = 10.863mmです。
K=0.001752π+0.15×0.0108632+0.15×1.452K = \frac{0.00175}{2 \pi} + \frac{0.15 \times 0.010863}{2} + \frac{0.15 \times 1.45}{2}
K=0.0002785+0.0008147+0.108750.10984K = 0.0002785 + 0.0008147 + 0.10875 \approx 0.10984
上記のKの値を用いて軸力Fを計算します。
F=TK×d=26.4780.10984×0.012=20088.4 NF = \frac{T}{K \times d} = \frac{26.478}{0.10984 \times 0.012} = 20088.4 \ N
最後に、引張応力 σ\sigma を計算します。
σ=FA\sigma = \frac{F}{A}
ここで、AA はボルトの有効断面積です。 M12のボルトの場合、A84.3mm2=84.3×106m2A \approx 84.3 mm^2 = 84.3 \times 10^{-6} m^2です。
σ=20088.484.3×106=238297746.144 Pa=238.298 MPa238.3 MPa\sigma = \frac{20088.4}{84.3 \times 10^{-6}} = 238297746.144 \ Pa = 238.298 \ MPa \approx 238.3 \ MPa

3. 最終的な答え

ボルトに生じる引張応力はおよそ238.3 MPaです。

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