速度に比例する空気抵抗を受けるボールを投げ上げた場合を考え、ボールが最高到達点に達する時刻 $T_m$ を、ボールの質量 $m$、比例定数 $\lambda$、初速度 $V_0$、重力加速度 $g$ で表した式が与えられています。その式は、$T_m = m^A \lambda^B \log(C + m^D \lambda^E V_0^F g^G)$ です。ここで、$A, B, C, D, E, F, G$ は整数です。整数 $A$ の値を求めよという問題です。

応用数学力学微分方程式次元解析対数
2025/5/14

1. 問題の内容

速度に比例する空気抵抗を受けるボールを投げ上げた場合を考え、ボールが最高到達点に達する時刻 TmT_m を、ボールの質量 mm、比例定数 λ\lambda、初速度 V0V_0、重力加速度 gg で表した式が与えられています。その式は、Tm=mAλBlog(C+mDλEV0FgG)T_m = m^A \lambda^B \log(C + m^D \lambda^E V_0^F g^G) です。ここで、A,B,C,D,E,F,GA, B, C, D, E, F, G は整数です。整数 AA の値を求めよという問題です。

2. 解き方の手順

まず、単位を考えます。
TmT_m の単位は時間 [s][s] です。
mm の単位は質量 [kg][kg] です。
λ\lambda の単位は比例定数なので、運動方程式 mdvdt=mgλvm \frac{dv}{dt} = -mg - \lambda v より、λ\lambda の単位は [kg/s][kg/s] です。
V0V_0 の単位は速度 [m/s][m/s] です。
gg の単位は加速度 [m/s2][m/s^2] です。
与えられた式 Tm=mAλBlog(C+mDλEV0FgG)T_m = m^A \lambda^B \log(C + m^D \lambda^E V_0^F g^G) について、それぞれの項の単位を考えると、
[s]=[kg]A[kg/s]Blog(C+[kg]D[kg/s]E[m/s]F[m/s2]G)[s] = [kg]^A [kg/s]^B \log(C + [kg]^D [kg/s]^E [m/s]^F [m/s^2]^G) となります。
対数の中身は無次元でなければならないため、mDλEV0FgGm^D \lambda^E V_0^F g^G は無次元です。
したがって、[kg]D[kg/s]E[m/s]F[m/s2]G=[1][kg]^D [kg/s]^E [m/s]^F [m/s^2]^G = [1] なので、
[kg]D+E[m]F+G[s]EF2G=[1][kg]^{D+E} [m]^{F+G} [s]^{-E-F-2G} = [1] となります。
よって、
D+E=0D+E = 0
F+G=0F+G = 0
EF2G=0-E-F-2G = 0
この連立方程式から、E=D,F=G,E+G2G=0    E+G=0    D+G=0    G=DE = -D, F = -G, -E+G-2G = 0 \implies E+G = 0 \implies -D+G = 0 \implies G=D
したがって、F=D,E=D,G=DF = -D, E = -D, G = D となります。
CC も無次元なので、CC は定数です。
時刻 TmT_m の次元は [s][s] であり、Tm=mAλBlog(C+mDλDV0DgD)T_m = m^A \lambda^B \log(C + m^D \lambda^{-D} V_0^{-D} g^D) です。
最高到達点では、速度は0になります。運動方程式は mdvdt=mgλvm \frac{dv}{dt} = -mg - \lambda v です。
これを解くと、
v(t)=(V0+mgλ)eλmtmgλv(t) = (V_0 + \frac{mg}{\lambda})e^{-\frac{\lambda}{m}t} - \frac{mg}{\lambda} となります。
最高到達点に達する時刻 TmT_m では、v(Tm)=0v(T_m) = 0 なので、
(V0+mgλ)eλmTm=mgλ(V_0 + \frac{mg}{\lambda})e^{-\frac{\lambda}{m}T_m} = \frac{mg}{\lambda}
eλmTm=mgλV0+mge^{-\frac{\lambda}{m}T_m} = \frac{mg}{\lambda V_0 + mg}
λmTm=log(mgλV0+mg)-\frac{\lambda}{m}T_m = \log(\frac{mg}{\lambda V_0 + mg})
Tm=mλlog(mgλV0+mg)=mλlog(λV0+mgmg)=mλlog(1+λV0mg)T_m = -\frac{m}{\lambda} \log(\frac{mg}{\lambda V_0 + mg}) = \frac{m}{\lambda} \log(\frac{\lambda V_0 + mg}{mg}) = \frac{m}{\lambda} \log(1+\frac{\lambda V_0}{mg})
Tm=mλlog(1+λV0mg)T_m = \frac{m}{\lambda} \log(1+\frac{\lambda V_0}{mg})
与えられた式と比較すると、
Tm=mAλBlog(C+mDλEV0FgG)T_m = m^A \lambda^B \log(C + m^D \lambda^E V_0^F g^G)
なので、
A=1,B=1,C=1,D=1,E=1,F=1,G=1A = 1, B = -1, C = 1, D = 1, E = -1, F = 1, G = -1

3. 最終的な答え

A = 1

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