図のような装置で、直流電流を流して電気分解を行った。電解槽Bから発生した気体は標準状態で0.84Lであった。ファラデー定数を$9.65 \times 10^{4} \mathrm{C} / \mathrm{mol}$として、以下の問いに答える。 (1) 電解槽Aの陽極付近のpHは大きくなるか、小さくなるか。 (2) 回路に流れた電子は何molか。 (3) 電解槽Aの陰極に析出した物質は何gか。(ただし、$Cu = 63.5$)

応用数学電気分解ファラデーの法則化学
2025/5/18

1. 問題の内容

図のような装置で、直流電流を流して電気分解を行った。電解槽Bから発生した気体は標準状態で0.84Lであった。ファラデー定数を9.65×104C/mol9.65 \times 10^{4} \mathrm{C} / \mathrm{mol}として、以下の問いに答える。
(1) 電解槽Aの陽極付近のpHは大きくなるか、小さくなるか。
(2) 回路に流れた電子は何molか。
(3) 電解槽Aの陰極に析出した物質は何gか。(ただし、Cu=63.5Cu = 63.5

2. 解き方の手順

(1) 電解槽Aの陽極では、水の酸化反応が起こり、酸素が発生する。
2H2OO2+4H++4e2H_2O \rightarrow O_2 + 4H^+ + 4e^-
水素イオン(H+)(H^+)が増加するため、pHは小さくなる。
(2) 電解槽Bでは、水の電気分解により水素と酸素が発生する。
2H2O2H2+O22H_2O \rightarrow 2H_2 + O_2
NaOHは電気分解を促進するための電解質として機能する。
陽極では、2H2OO2+4H++4e2H_2O \rightarrow O_2 + 4H^+ + 4e^- の反応が起こる。
陰極では、2H2O+2eH2+2OH2H_2O + 2e^- \rightarrow H_2 + 2OH^-の反応が起こる。
電解槽Bで発生した気体は標準状態で0.84Lなので、物質量は 0.8422.4=0.0375mol\frac{0.84}{22.4} = 0.0375 \mathrm{mol}である。
電解槽Bでは、2H2O2H2+O22H_2O \rightarrow 2H_2 + O_2の反応が起こり、陰極と陽極でそれぞれ気体が発生する。生成される気体の合計が0.0375molであるため、発生した気体は水素と酸素の混合物と考えられる。
2H2O2H2+O22H_2O \rightarrow 2H_2 + O_2より、水素のmol数を2x2x、酸素のmol数をxxとすると、
2x+x=0.03752x+x=0.0375
3x=0.03753x=0.0375
x=0.0125x=0.0125
よって酸素の物質量は0.0125mol、水素の物質量は0.025molである。
電解槽Bの陽極での反応式は2H2OO2+4H++4e2H_2O \rightarrow O_2 + 4H^+ + 4e^-なので、酸素0.0125molが発生するときに流れた電子は0.0125×4=0.05mol0.0125 \times 4 = 0.05 \mathrm{mol}である。
(3) 電解槽Aの陰極では、銅イオン(Cu2+Cu^{2+})が還元されて銅(CuCu)が析出する。
Cu2++2eCuCu^{2+} + 2e^- \rightarrow Cu
電解槽を流れた電子は0.05 molなので、析出する銅の物質量は0.05/2=0.025mol0.05/2 = 0.025 \mathrm{mol}である。
銅の原子量は63.5なので、析出する銅の質量は0.025×63.5=1.5875g0.025 \times 63.5 = 1.5875 \mathrm{g}である。

3. 最終的な答え

(1) 小さくなる
(2) 0.05 mol
(3) 1.5875 g

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