(1) 集合 $X$ の部分集合 $A$ に対し、写像 $f: X \to Y$ による $A$ の像 $f(A)$ の定義を集合の記号や論理記号を用いて記述する。 (2) 集合 $Y$ の部分集合 $B$ に対し、写像 $f: X \to Y$ による $B$ の逆像 $f^{-1}(B)$ の定義を集合の記号や論理記号を用いて記述する。 (3) 写像 $f: X \to Y$ が全射であることの定義を集合の記号や論理記号を用いて記述する。 (4) 写像 $f: X \to Y$ が単射であることの定義を集合の記号や論理記号を用いて記述する。

代数学写像集合全射単射逆像合成写像
2025/5/20
## 問題1

1. 問題の内容

(1) 集合 XX の部分集合 AA に対し、写像 f:XYf: X \to Y による AA の像 f(A)f(A) の定義を集合の記号や論理記号を用いて記述する。
(2) 集合 YY の部分集合 BB に対し、写像 f:XYf: X \to Y による BB の逆像 f1(B)f^{-1}(B) の定義を集合の記号や論理記号を用いて記述する。
(3) 写像 f:XYf: X \to Y が全射であることの定義を集合の記号や論理記号を用いて記述する。
(4) 写像 f:XYf: X \to Y が単射であることの定義を集合の記号や論理記号を用いて記述する。

2. 解き方の手順

(1) f(A)={yYxA,f(x)=y}f(A) = \{y \in Y \mid \exists x \in A, f(x) = y\}
(2) f1(B)={xXf(x)B}f^{-1}(B) = \{x \in X \mid f(x) \in B\}
(3) yY,xX,f(x)=y\forall y \in Y, \exists x \in X, f(x) = y
(4) x1,x2X,f(x1)=f(x2)    x1=x2\forall x_1, x_2 \in X, f(x_1) = f(x_2) \implies x_1 = x_2

3. 最終的な答え

(1) f(A)={yYxA,f(x)=y}f(A) = \{y \in Y \mid \exists x \in A, f(x) = y\}
(2) f1(B)={xXf(x)B}f^{-1}(B) = \{x \in X \mid f(x) \in B\}
(3) yY,xX,f(x)=y\forall y \in Y, \exists x \in X, f(x) = y
(4) x1,x2X,f(x1)=f(x2)    x1=x2\forall x_1, x_2 \in X, f(x_1) = f(x_2) \implies x_1 = x_2
## 問題2

1. 問題の内容

写像 f:XYf: X \to Y と、XX の部分集合 AA と、YY の部分集合 CC について、以下の命題が正しいか証明し、正しくない場合は反例を挙げる。
(1) ff が全射ならば、f1(f(A))Af^{-1}(f(A)) \subset A.
(2) ff が単射ならば、f1(f(A))Af^{-1}(f(A)) \subset A.
(3) ff が全射ならば、f(f1(C))Cf(f^{-1}(C)) \supset C.
(4) ff が単射ならば、f(f1(C))Cf(f^{-1}(C)) \supset C.

2. 解き方の手順

(1) ff が全射とは限らないので誤り. 反例: X={1,2},Y={3},A={1},f(1)=f(2)=3X = \{1, 2\}, Y = \{3\}, A = \{1\}, f(1) = f(2) = 3. このとき f(A)={3}f(A) = \{3\}, f1(f(A))={1,2}⊄Af^{-1}(f(A)) = \{1, 2\} \not\subset A.
(2) ff が単射ならば、f1(f(A))=Af^{-1}(f(A)) = A. よって、f1(f(A))Af^{-1}(f(A)) \subset A は正しい。
証明:
xf1(f(A))x \in f^{-1}(f(A)) とする。このとき、f(x)f(A)f(x) \in f(A)
f(A)={yYaA,f(a)=y}f(A) = \{y \in Y \mid \exists a \in A, f(a) = y\} より、f(x)=f(a)f(x) = f(a) となる aAa \in A が存在する。
ff は単射なので、x=ax = a。したがって、xAx \in A
よって、f1(f(A))Af^{-1}(f(A)) \subset A が成り立つ。
(3) ff が全射ならば、f(f1(C))=Cf(f^{-1}(C)) = C. よって、f(f1(C))Cf(f^{-1}(C)) \supset C は正しい。
証明:
cCc \in C とする。ff は全射なので、ある xXx \in X が存在して f(x)=cf(x) = c
このとき、xf1(C)x \in f^{-1}(C) なので、f(x)f(f1(C))f(x) \in f(f^{-1}(C))
したがって、cf(f1(C))c \in f(f^{-1}(C))
よって、Cf(f1(C))C \subset f(f^{-1}(C)) が成り立つ。
(4) f(f1(C))Cf(f^{-1}(C)) \subset C が常に成り立つので、ff が単射でなくても f(f1(C))Cf(f^{-1}(C)) \subset C が成り立つ。
yf(f1(C))y \in f(f^{-1}(C)) とする。このとき、ある xf1(C)x \in f^{-1}(C) が存在して f(x)=yf(x) = y
xf1(C)x \in f^{-1}(C) より、f(x)Cf(x) \in C。したがって、yCy \in C
よって、f(f1(C))Cf(f^{-1}(C)) \subset C が成り立つ。
したがって、Cf(f1(C))C \supset f(f^{-1}(C)) は正しい。

3. 最終的な答え

(1) 誤り
(2) 正しい
(3) 正しい
(4) 正しい
## 問題3

1. 問題の内容

写像 f:XYf: X \to Y、および XX の部分集合 A,BA, B と、YY の部分集合 C,DC, D について、以下の命題が正しいか証明し、正しくない場合は反例を挙げる。
(1) f(AB)f(A)f(B)f(A - B) \subset f(A) - f(B)
(2) f(AB)f(A)f(B)f(A - B) \supset f(A) - f(B)
(3) f1(CD)f1(C)f1(D)f^{-1}(C - D) \subset f^{-1}(C) - f^{-1}(D)
(4) f1(CD)f1(C)f1(D)f^{-1}(C - D) \supset f^{-1}(C) - f^{-1}(D)

2. 解き方の手順

(1) f(AB)f(A)f(B)f(A-B) \subset f(A) - f(B) は正しい。
証明:yf(AB)y \in f(A-B)とする。定義より、ABA-Bの元xxf(x)=yf(x)=yとなるものが存在する。xABx\in A-Bなので、xAx\in A かつ xBx\notin B
したがって、f(x)f(A)f(x) \in f(A) かつ f(x)f(B)f(x) \notin f(B)。よって、f(x)=yf(A)f(B)f(x) = y \in f(A) - f(B)
(2) f(AB)f(A)f(B)f(A-B) \supset f(A) - f(B) は誤り。反例:X={1,2},Y={3},A={1,2},B={2},f(1)=f(2)=3X = \{1, 2\}, Y = \{3\}, A = \{1, 2\}, B = \{2\}, f(1) = f(2) = 3
f(A)={3},f(B)={3}f(A) = \{3\}, f(B) = \{3\} なので、f(A)f(B)=f(A) - f(B) = \emptyset
AB={1}A - B = \{1\} なので、f(AB)={3}f(A - B) = \{3\}。よって、f(AB)⊅f(A)f(B)f(A - B) \not\supset f(A) - f(B)
(3) f1(CD)f1(C)f1(D)f^{-1}(C-D) \subset f^{-1}(C) - f^{-1}(D) は正しい。
証明:xf1(CD)x \in f^{-1}(C-D) とする。このとき、f(x)CDf(x) \in C - D
f(x)CDf(x) \in C - D より、f(x)Cf(x) \in C かつ f(x)Df(x) \notin D
f(x)Cf(x) \in C より、xf1(C)x \in f^{-1}(C)
f(x)Df(x) \notin D より、xf1(D)x \notin f^{-1}(D)
したがって、xf1(C)f1(D)x \in f^{-1}(C) - f^{-1}(D)
(4) f1(CD)f1(C)f1(D)f^{-1}(C-D) \supset f^{-1}(C) - f^{-1}(D) は正しい。
証明:xf1(C)f1(D)x \in f^{-1}(C) - f^{-1}(D) とする。このとき、xf1(C)x \in f^{-1}(C) かつ xf1(D)x \notin f^{-1}(D)
xf1(C)x \in f^{-1}(C) より、f(x)Cf(x) \in C
xf1(D)x \notin f^{-1}(D) より、f(x)Df(x) \notin D
したがって、f(x)CDf(x) \in C - D
よって、xf1(CD)x \in f^{-1}(C - D)

3. 最終的な答え

(1) 正しい
(2) 誤り
(3) 正しい
(4) 正しい
## 問題4

1. 問題の内容

写像 f:XYf: X \to Y と写像 g:YZg: Y \to Z が与えられたとき、以下の命題が正しいか証明し、正しくない場合は反例を挙げる。
(1) 合成写像 gfg \circ f が全射かつ ff が単射ならば、gg は全射である。
(2) 合成写像 gfg \circ f が全射かつ ff が全射ならば、gg は単射である。
(3) 合成写像 gfg \circ f が全射かつ gg が単射ならば、ff は全射である。
(4) 合成写像 gfg \circ f が全射かつ gg が全射ならば、ff は単射である。

2. 解き方の手順

(1) 正しい。
証明: zZz \in Z とする。 gfg \circ f が全射なので, ある xXx \in X が存在して (gf)(x)=z(g \circ f)(x) = z.
(gf)(x)=g(f(x))=z(g \circ f)(x) = g(f(x)) = z であり, f(x)Yf(x) \in Y なので, gg は全射である.
(2) 誤り。反例: X={1,2},Y={3},Z={4}X=\{1, 2\}, Y=\{3\}, Z=\{4\}. f(1)=f(2)=3f(1)=f(2)=3, g(3)=4g(3) = 4.
gf(1)=gf(2)=4g\circ f(1) = g\circ f(2) = 4なので全射。ffは全射ではない。
g(3)=4g(3)=4なので、ggは単射でもある。
(3) 誤り。反例:X={1},Y={2,3},Z={4}X = \{1\}, Y = \{2, 3\}, Z = \{4\}. f(1)=2f(1) = 2, g(2)=g(3)=4g(2) = g(3) = 4.
gf(1)=4g \circ f(1) = 4 なので全射。gg は単射ではない。ff は全射ではない。
(4) 誤り。反例:X={1,2},Y={3,4},Z={5}X = \{1, 2\}, Y = \{3, 4\}, Z = \{5\}, f(1)=3,f(2)=4,g(3)=g(4)=5f(1)=3, f(2)=4, g(3)=g(4)=5.
gf(1)=gf(2)=5g \circ f(1) = g \circ f(2) = 5 なので全射。gg は全射。
しかし、f(1)f(2)f(1) \neq f(2) だが、f(1)=3f(1)=3, f(2)=4f(2)=4であり、g(3)=g(4)g(3) = g(4)なので、gf(1)=gf(2)g\circ f(1) = g\circ f(2)となる。よってffは単射ではない。

3. 最終的な答え

(1) 正しい
(2) 誤り
(3) 誤り
(4) 誤り

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