10 kgの物体とP [kg] の物体がロープで吊り下げられて静止している状態が与えられています。ロープAB, BC, CDの張力の大きさとPの値を求める問題です。

1. 問題の内容

10 kgの物体とP [kg] の物体がロープで吊り下げられて静止している状態が与えられています。ロープAB, BC, CDの張力の大きさとPの値を求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、点Bと点Cにおける力のつり合いを考えます。

点Bにおいて、ロープABの張力を$T_{AB}$、ロープBCの張力を$T_{BC}$とします。点Bには10kgの物体の重力も作用します。力のつり合いの式は次のようになります。

水平方向：

$T_{AB} \cos(60^\circ) = T_{BC} \cos(30^\circ)$

鉛直方向：

$T_{AB} \sin(60^\circ) + T_{BC} \sin(30^\circ) = 10g$

ここで、$g$は重力加速度であり、$g \approx 9.8 m/s^2$とします。ただし、問題文から単位がkgなので、$g$を掛ける必要はありません。10kgの物体が支えている力を10とみなします。

点Cにおいて、ロープBCの張力を$T_{BC}$、ロープCDの張力を$T_{CD}$とします。点CにはP [kg] の物体の重力も作用します。力のつり合いの式は次のようになります。

水平方向：

$T_{BC} \cos(30^\circ) = T_{CD} \cos(45^\circ)$

鉛直方向：

$T_{BC} \sin(30^\circ) + P = T_{CD} \sin(45^\circ)$

上記の方程式を解きます。

(1) $T_{AB} \cos(60^\circ) = T_{BC} \cos(30^\circ)$より

$T_{AB} \times \frac{1}{2} = T_{BC} \times \frac{\sqrt{3}}{2}$

$T_{AB} = \sqrt{3} T_{BC}$

(2) $T_{AB} \sin(60^\circ) + T_{BC} \sin(30^\circ) = 10$より

$\sqrt{3} T_{BC} \times \frac{\sqrt{3}}{2} + T_{BC} \times \frac{1}{2} = 10$

$\frac{3}{2} T_{BC} + \frac{1}{2} T_{BC} = 10$

$2 T_{BC} = 10$

$T_{BC} = 5$

(1)より、$T_{AB} = \sqrt{3} \times 5 = 5\sqrt{3}$

(3) $T_{BC} \cos(30^\circ) = T_{CD} \cos(45^\circ)$より

$5 \times \frac{\sqrt{3}}{2} = T_{CD} \times \frac{\sqrt{2}}{2}$

$T_{CD} = \frac{5\sqrt{3}}{\sqrt{2}} = \frac{5\sqrt{6}}{2}$

(4) $T_{BC} \sin(30^\circ) + P = T_{CD} \sin(45^\circ)$より

$5 \times \frac{1}{2} + P = \frac{5\sqrt{6}}{2} \times \frac{\sqrt{2}}{2}$

$\frac{5}{2} + P = \frac{5\sqrt{12}}{4} = \frac{5 \times 2\sqrt{3}}{4} = \frac{5\sqrt{3}}{2}$

$P = \frac{5\sqrt{3}}{2} - \frac{5}{2} = \frac{5(\sqrt{3}-1)}{2}$

3. 最終的な答え

ロープABの張力：$5\sqrt{3}$ kg

ロープBCの張力：5 kg

ロープCDの張力：$\frac{5\sqrt{6}}{2}$ kg

Pの値：$\frac{5(\sqrt{3}-1)}{2}$ kg