質量200kgの一様な太さの鉄材の一端Aは傾角30°のなめらかな斜面に、他端Bは水平のなめらかな床に接している。斜面に沿って大きさPの力で引っ張られて静止しているとき、A, Bにおける反力と力Pの大きさを求める。

1. 問題の内容

質量200kgの一様な太さの鉄材の一端Aは傾角30°のなめらかな斜面に、他端Bは水平のなめらかな床に接している。斜面に沿って大きさPの力で引っ張られて静止しているとき、A, Bにおける反力と力Pの大きさを求める。

2. 解き方の手順

(1) 各点における反力の設定：

点Aでの反力を$N_A$, 点Bでの反力を$N_B$とする。重力は鉄材の中心にかかり、その大きさは$mg = 200kg \times 9.8 m/s^2 = 1960N$である。

(2) 力のつり合いの式：

水平方向の力のつり合い：$P = N_A \sin 30^\circ$

鉛直方向の力のつり合い：$N_A \cos 30^\circ + N_B = mg$

(3) モーメントのつり合いの式：

点Bまわりのモーメントを考える。鉄材の長さを$L$とすると、

$N_A L - mg \frac{L}{2} \cos 30^\circ - P L \cos 30^\circ = 0$

$N_A - \frac{mg}{2} \cos 30^\circ = P \cos 30^\circ$

$N_A - \frac{1960}{2} \cos 30^\circ = P \cos 30^\circ$

$N_A - 980 \cos 30^\circ = P \cos 30^\circ$

(4) 連立方程式を解く：

$P = N_A \sin 30^\circ = \frac{1}{2}N_A$ より $N_A = 2P$

$N_A \cos 30^\circ + N_B = mg = 1960$ より $2P \cos 30^\circ + N_B = 1960$

$N_A = 2P$を$N_A - 980 \cos 30^\circ = P \cos 30^\circ$ に代入すると、

$2P - 980 \cos 30^\circ = P \cos 30^\circ$

$2P - P \cos 30^\circ = 980 \cos 30^\circ$

$P (2 - \cos 30^\circ) = 980 \cos 30^\circ$

$P = \frac{980 \cos 30^\circ}{2 - \cos 30^\circ} = \frac{980 \times \frac{\sqrt{3}}{2}}{2 - \frac{\sqrt{3}}{2}} = \frac{490\sqrt{3}}{2 - \frac{\sqrt{3}}{2}} = \frac{980\sqrt{3}}{4 - \sqrt{3}} = \frac{980\sqrt{3}(4 + \sqrt{3})}{(4 - \sqrt{3})(4 + \sqrt{3})} = \frac{980(4\sqrt{3} + 3)}{16 - 3} = \frac{980(4\sqrt{3} + 3)}{13} \approx 816.7 N$

$N_A = 2P \approx 2 \times 816.7 \approx 1633.4 N$

$N_B = 1960 - N_A \cos 30^\circ = 1960 - 1633.4 \times \frac{\sqrt{3}}{2} \approx 1960 - 1414.7 \approx 545.3 N$

3. 最終的な答え

Aにおける反力：約1633.4 N

Bにおける反力：約545.3 N

力Pの大きさ：約816.7 N