質量200 kgの一様な太さの鉄材が、一端Aで傾斜角30°の滑らかな斜面に接し、他端Bで水平な滑らかな床に接している。鉄材は斜面に沿って力Pで引っ張られて静止している。点Aと点Bにおける反力と力Pの大きさを求めよ。

応用数学力学静力学力の釣り合いモーメント物理
2025/5/22

1. 問題の内容

質量200 kgの一様な太さの鉄材が、一端Aで傾斜角30°の滑らかな斜面に接し、他端Bで水平な滑らかな床に接している。鉄材は斜面に沿って力Pで引っ張られて静止している。点Aと点Bにおける反力と力Pの大きさを求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 各点における反力を仮定し、図示する。
点Aにおける反力は斜面に垂直である。これをNAN_Aとする。
点Bにおける反力は床に垂直である。これをNBN_Bとする。
重力は鉄材の中央(重心)に働く。重力はmgmgであり、m=200kgm = 200 kgg=9.8m/s2g = 9.8 m/s^2である。
鉄材に沿って力Pが働く。
(2) 水平方向と鉛直方向の力の釣り合いを考える。
水平方向の力の釣り合いはNAsin30=Pcos0N_A \sin 30^\circ = P \cos 0^\circ なので、
NAsin30=PN_A \sin 30^\circ = P (1)
鉛直方向の力の釣り合いはNAcos30+NB=mgN_A \cos 30^\circ + N_B = mgなので、
NAcos30+NB=mgN_A \cos 30^\circ + N_B = mg (2)
(3) 点Bのまわりのモーメントの釣り合いを考える。鉄材の長さをLLとすると、
NALmgL2cos30PLcos30=0N_A L - mg \frac{L}{2} \cos 30^\circ - P L \cos 30^\circ = 0
NAmg2cos30Pcos30=0N_A - \frac{mg}{2} \cos 30^\circ - P \cos 30^\circ = 0
NA=mg2cos30+Pcos30N_A = \frac{mg}{2} \cos 30^\circ + P \cos 30^\circ (3)
(4) 式(1)から、P=NAsin30=NA2P = N_A \sin 30^\circ = \frac{N_A}{2}なので、(3)式に代入すると
NA=mg2cos30+NA2cos30N_A = \frac{mg}{2} \cos 30^\circ + \frac{N_A}{2} \cos 30^\circ
NA(112cos30)=mg2cos30N_A (1 - \frac{1}{2} \cos 30^\circ) = \frac{mg}{2} \cos 30^\circ
NA(134)=mg232N_A (1 - \frac{\sqrt{3}}{4}) = \frac{mg}{2} \frac{\sqrt{3}}{2}
NA=mg34(134)=mg343N_A = \frac{mg \sqrt{3}}{4(1 - \frac{\sqrt{3}}{4})} = \frac{mg \sqrt{3}}{4 - \sqrt{3}}
NA=2009.8343=1960343=19603(4+3)(43)(4+3)=1960(43+3)163=1960(43+3)13N_A = \frac{200 \cdot 9.8 \cdot \sqrt{3}}{4 - \sqrt{3}} = \frac{1960 \sqrt{3}}{4 - \sqrt{3}} = \frac{1960 \sqrt{3}(4 + \sqrt{3})}{(4 - \sqrt{3})(4 + \sqrt{3})} = \frac{1960(4\sqrt{3} + 3)}{16 - 3} = \frac{1960(4\sqrt{3} + 3)}{13}
NA1960(41.732+3)13=1960(6.928+3)13=19609.928131500NN_A \approx \frac{1960(4 \cdot 1.732 + 3)}{13} = \frac{1960(6.928 + 3)}{13} = \frac{1960 \cdot 9.928}{13} \approx 1500 N
(5) 式(1)からP=NA2P = \frac{N_A}{2}なので、P=121960343=980343=9803(4+3)13=980(43+3)13P = \frac{1}{2} \frac{1960 \sqrt{3}}{4 - \sqrt{3}} = \frac{980 \sqrt{3}}{4 - \sqrt{3}} = \frac{980 \sqrt{3}(4 + \sqrt{3})}{13} = \frac{980(4\sqrt{3} + 3)}{13}
P980(41.732+3)13=980(6.928+3)13=9809.92813750NP \approx \frac{980(4 \cdot 1.732 + 3)}{13} = \frac{980(6.928 + 3)}{13} = \frac{980 \cdot 9.928}{13} \approx 750 N
(6) 式(2)から、NB=mgNAcos30=2009.8196034332=1960196032(43)=1960294043=19602940(4+3)13=196029404132940313=1960117601329401.73213=1960904.6392.0663.4NN_B = mg - N_A \cos 30^\circ = 200 \cdot 9.8 - \frac{1960 \sqrt{3}}{4 - \sqrt{3}} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} = 1960 - \frac{1960 \cdot 3}{2(4 - \sqrt{3})} = 1960 - \frac{2940}{4 - \sqrt{3}} = 1960 - \frac{2940(4 + \sqrt{3})}{13} = 1960 - \frac{2940 \cdot 4}{13} - \frac{2940 \sqrt{3}}{13} = 1960 - \frac{11760}{13} - \frac{2940 \cdot 1.732}{13} = 1960 - 904.6 - 392.0 \approx 663.4 N

3. 最終的な答え

点Aにおける反力 NA1500NN_A \approx 1500 N
点Bにおける反力 NB663NN_B \approx 663 N
力Pの大きさ P750NP \approx 750 N

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