質量200 kgの一様な鉄材の一端Aは傾斜角30°の滑らかな斜面に接し、もう一方の端Bは水平で滑らかな床に接している。 斜面に沿って大きさ$P$の力で引っ張られて静止している。 AとBにおける反力、および力$P$の大きさを求める問題です。

1. 問題の内容

質量200 kgの一様な鉄材の一端Aは傾斜角30°の滑らかな斜面に接し、もう一方の端Bは水平で滑らかな床に接している。 斜面に沿って大きさ$P$の力で引っ張られて静止している。 AとBにおける反力、および力$P$の大きさを求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、鉄材にかかる力を考えます。

* 重力: 鉄材の重心に下向きにかかります。重心は鉄材の中央にあります。

* Aにおける反力: 斜面に垂直な方向にかかります。これを$N_A$とします。

* Bにおける反力: 床に垂直な方向にかかります。これを$N_B$とします。

* 引っ張る力: 斜面に沿って上向きにかかります。これを$P$とします。

次に、力のつり合いの式を立てます。水平方向と鉛直方向の力の和はそれぞれ0になります。また、モーメントのつり合いも考慮します。ここでは、B点を中心としたモーメントのつり合いを考えます。

* 水平方向の力のつり合い:

$N_A \sin{30^\circ} - P = 0$

* 鉛直方向の力のつり合い:

$N_A \cos{30^\circ} + N_B - mg = 0$

* B点周りのモーメントのつり合い:

$N_A \cdot L - mg \cdot \frac{L}{2} \cos{30^\circ}= 0$

ここで、$m = 200 kg$、$g = 9.8 m/s^2$、$L$は鉄材の全長です。

モーメントのつり合いの式から、$N_A$を求めます。

$N_A = \frac{mg}{2} \cos{30^\circ} = \frac{200 \cdot 9.8}{2} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} = 490 \sqrt{3} \approx 848.7 N$

水平方向の力のつり合いから、$P$を求めます。

$P = N_A \sin{30^\circ} = 490 \sqrt{3} \cdot \frac{1}{2} = 245 \sqrt{3} \approx 424.35 N$

鉛直方向の力のつり合いから、$N_B$を求めます。

$N_B = mg - N_A \cos{30^\circ} = 200 \cdot 9.8 - 490 \sqrt{3} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} = 1960 - 490 \cdot \frac{3}{2} = 1960 - 735 = 1225 N$

3. 最終的な答え

Aにおける反力: $490\sqrt{3} N \approx 848.7 N$

Bにおける反力: $1225 N$

力Pの大きさ: $245\sqrt{3} N \approx 424.35 N$