データ $W$ は $(-1, -1), (-1, 1), (1, -1), (1, 1)$ の4つの組からなる。このデータ $W$ に $(5a, 5a)$ を加えたデータを $W'$ とする。$W'$ の $x$ の平均値、$x$ と $y$ の共分散、標準偏差の積、相関係数が $0.95$ 以上となるような $a$ の範囲を求める。

確率論・統計学共分散標準偏差相関係数平均分散
2025/5/25

1. 問題の内容

データ WW(1,1),(1,1),(1,1),(1,1)(-1, -1), (-1, 1), (1, -1), (1, 1) の4つの組からなる。このデータ WW(5a,5a)(5a, 5a) を加えたデータを WW' とする。WW'xx の平均値、xxyy の共分散、標準偏差の積、相関係数が 0.950.95 以上となるような aa の範囲を求める。

2. 解き方の手順

(1) WW'xx の平均値を求める。
WW'xx の値は 1,1,1,1,5a-1, -1, 1, 1, 5a なので、平均値は
11+1+1+5a5=5a5=a\frac{-1-1+1+1+5a}{5} = \frac{5a}{5} = a
よって、解答は 5a (①)
(2) WW'xxyy の共分散を求める。
まず、表1の計算表を埋める。
xxの平均 xˉ=a\bar{x}=a, yyの平均 yˉ=a\bar{y}=a
| xx | yy | xxˉx-\bar{x} | yyˉy-\bar{y} | (xxˉ)(yyˉ)(x-\bar{x})(y-\bar{y}) |
|---|---|---|---|---|
| -1 | -1 | 1a-1-a | 1a-1-a | (1a)2=1+2a+a2(-1-a)^2 = 1 + 2a + a^2 |
| -1 | 1 | 1a-1-a | 1a1-a | (1a)(1a)=1+aa+a2=1+a2(-1-a)(1-a) = -1 + a -a + a^2 = -1 + a^2 |
| 1 | -1 | 1a1-a | 1a-1-a | (1a)(1a)=1a+a+a2=1+a2(1-a)(-1-a) = -1 - a + a + a^2 = -1 + a^2 |
| 1 | 1 | 1a1-a | 1a1-a | (1a)2=12a+a2(1-a)^2 = 1 - 2a + a^2 |
| 5a | 5a | 5aa=4a5a-a = 4a | 5aa=4a5a-a = 4a | (4a)2=16a2(4a)^2 = 16a^2 |
共分散は偏差の積の平均値なので
(1+2a+a2)+(1+a2)+(1+a2)+(12a+a2)+16a25=4a2+16a25=20a25=4a2\frac{(1 + 2a + a^2) + (-1 + a^2) + (-1 + a^2) + (1 - 2a + a^2) + 16a^2}{5} = \frac{4a^2 + 16a^2}{5} = \frac{20a^2}{5} = 4a^2
よって、解答は 4a24a^2 (⓪)
(3) WW'xxyy の標準偏差の積 sxsys_x s_y を求める。
まず、xxの分散を求める。xxの分散はx2x^2の平均からxxの平均の二乗を引いたもの。
xxの値は1,1,1,1,5a-1, -1, 1, 1, 5aなので、x2x^2の値は1,1,1,1,25a21, 1, 1, 1, 25a^2
x2x^2の平均は1+1+1+1+25a25=4+25a25\frac{1+1+1+1+25a^2}{5} = \frac{4+25a^2}{5}
よって、xxの分散sx2=4+25a25a2=4+25a25a25=4+20a25s_x^2 = \frac{4+25a^2}{5} - a^2 = \frac{4+25a^2-5a^2}{5} = \frac{4+20a^2}{5}
yyの値は1,1,1,1,5a-1, 1, -1, 1, 5aなので、y2y^2の値は1,1,1,1,25a21, 1, 1, 1, 25a^2
y2y^2の平均は1+1+1+1+25a25=4+25a25\frac{1+1+1+1+25a^2}{5} = \frac{4+25a^2}{5}
よって、yyの分散sy2=4+25a25a2=4+25a25a25=4+20a25s_y^2 = \frac{4+25a^2}{5} - a^2 = \frac{4+25a^2-5a^2}{5} = \frac{4+20a^2}{5}
sx=4+20a25=4(1+5a2)5=21+5a25s_x = \sqrt{\frac{4+20a^2}{5}} = \sqrt{\frac{4(1+5a^2)}{5}} = 2 \sqrt{\frac{1+5a^2}{5}}
sy=4+20a25=4(1+5a2)5=21+5a25s_y = \sqrt{\frac{4+20a^2}{5}} = \sqrt{\frac{4(1+5a^2)}{5}} = 2 \sqrt{\frac{1+5a^2}{5}}
sxsy=41+5a25=4+20a25s_x s_y = 4 \frac{1+5a^2}{5} = \frac{4 + 20a^2}{5}
sxsy=20a2+45=4a2+45s_x s_y = \frac{20a^2 + 4}{5} = 4a^2 + \frac{4}{5}
よって、解答は 4a2+454a^2 + \frac{4}{5} (②)
(4) 相関係数 rrr=sxysxsyr = \frac{s_{xy}}{s_x s_y} であり、条件 r0.95r \ge 0.95sxy0.95sxsys_{xy} \ge 0.95 s_x s_y となる。
4a20.95(4a2+45)4a^2 \ge 0.95 (4a^2 + \frac{4}{5})
4a20.95(4a2)+0.95(45)4a^2 \ge 0.95(4a^2) + 0.95(\frac{4}{5})
4a23.8a2+3.854a^2 \ge 3.8a^2 + \frac{3.8}{5}
0.2a23.850.2a^2 \ge \frac{3.8}{5}
a23.85×0.2=3.81=19a^2 \ge \frac{3.8}{5 \times 0.2} = \frac{3.8}{1} = 19
a19a \ge \sqrt{19} または a19a \le -\sqrt{19}
a19a \ge \sqrt{19} のとき、5a5a の値は大きくなり、分散も大きくなるので、相関係数は1に近づく。
a19a \le -\sqrt{19} のときも同様に相関係数は1に近づく。
a219a^2 \ge 19
a19|a| \ge \sqrt{19}
a19a \ge \sqrt{19} または a19a \le -\sqrt{19}
選択肢から選ぶと
a2195a \le -\frac{2\sqrt{19}}{5} または a2195a \ge \frac{2\sqrt{19}}{5} (④)

3. 最終的な答え

二: 5a
ヌ: 4a24a^2
ネ: 4a2+454a^2 + \frac{4}{5}
ノ: a2195a \le -\frac{2\sqrt{19}}{5}, 2195a\frac{2\sqrt{19}}{5} \le a

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