太郎さんが1年間、家と最寄り駅の間を歩いたときと走ったときの所要時間を計測した。表1は歩いたときの所要時間を表す確率変数 $X$ と、走ったときの所要時間を表す確率変数 $Y$ の分布の特徴をまとめたものである。問題は、以下の内容に関する問いに答える: (1) $P(X \le X_0) = 0.1$ を満たす $X_0$ について考える。 (2) 太郎さんが家と駅の間を100回歩いたとき、$X \le X_0$ となる回数を表す確率変数 $W$ について考える。

確率論・統計学確率変数正規分布二項分布期待値標準偏差
2025/5/25

1. 問題の内容

太郎さんが1年間、家と最寄り駅の間を歩いたときと走ったときの所要時間を計測した。表1は歩いたときの所要時間を表す確率変数 XX と、走ったときの所要時間を表す確率変数 YY の分布の特徴をまとめたものである。問題は、以下の内容に関する問いに答える:
(1) P(XX0)=0.1P(X \le X_0) = 0.1 を満たす X0X_0 について考える。
(2) 太郎さんが家と駅の間を100回歩いたとき、XX0X \le X_0 となる回数を表す確率変数 WW について考える。

2. 解き方の手順

(1)
(i) Z=X9.00.8Z = \frac{X - 9.0}{0.8} とすると、ZZ は標準正規分布 N(0,1)N(0, 1) に従う。P(ZZ0)P(Z \le Z_0) が0.1に最も近い値をとるような Z0Z_0 を正規分布表から読み取る。
正規分布表から P(Z1.28)0.1P(Z \le -1.28) \approx 0.1 であるので、Z0=1.28Z_0 = -1.28 である。
よって、
Z0=X09.00.8=1.28Z_0 = \frac{X_0 - 9.0}{0.8} = -1.28
X09.0=1.28×0.8=1.024X_0 - 9.0 = -1.28 \times 0.8 = -1.024
X0=9.01.024=7.976X_0 = 9.0 - 1.024 = 7.976
したがって、X0X_0 の値はおよそ 7.98 である。
(ii) XXYY が互いに独立であるとき、太郎さんが家から駅まで歩き、駅から家まで走ったとすると、往復の合計所要時間の平均は E(X+Y)=E(X)+E(Y)=9.0+5.0=14.0E(X + Y) = E(X) + E(Y) = 9.0 + 5.0 = 14.0 である。
標準偏差は V(X+Y)=V(X)+V(Y)=0.82+0.62=0.64+0.36=1=1.0\sqrt{V(X + Y)} = \sqrt{V(X) + V(Y)} = \sqrt{0.8^2 + 0.6^2} = \sqrt{0.64 + 0.36} = \sqrt{1} = 1.0 である。
(iii) 太郎さんが家と駅の間を100回歩いたとき、XX0X \le X_0 となる回数を表す確率変数 WW を考える。
P(XX0)=0.1P(X \le X_0) = 0.1 より、WW は二項分布 B(100,0.1)B(100, 0.1) に従う。標本の大きさ100は十分に大きいので、WW は近似的に正規分布 N(np,np(1p))N(np, np(1-p)) に従う。
平均は np=100×0.1=10np = 100 \times 0.1 = 10
分散は np(1p)=100×0.1×(10.1)=10×0.9=9np(1-p) = 100 \times 0.1 \times (1-0.1) = 10 \times 0.9 = 9
したがって、WW は近似的に正規分布 N(10,32)N(10, 3^2) に従う。
WW が4以上13以下となる確率は、標準化すると
P(4W13)=P(4103W10313103)P(4 \le W \le 13) = P(\frac{4-10}{3} \le \frac{W-10}{3} \le \frac{13-10}{3})
=P(2Z1)=P(Z1)P(Z2)= P(-2 \le Z \le 1) = P(Z \le 1) - P(Z \le -2)
=P(Z1)(1P(Z2))=0.8413(10.9772)=0.84130.0228=0.81850.82= P(Z \le 1) - (1 - P(Z \le 2)) = 0.8413 - (1-0.9772) = 0.8413 - 0.0228 = 0.8185 \approx 0.82

3. 最終的な答え

ア: 14.0
イ: 14
ウ: 1.0
エ: 1
オ: 7.98
カ: -1.28
キク: 7.98
ケ: 10
コサ: 10
シ: 3
スセ: 0.82

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