ある工場で生産された製品Pの重さについて、無作為に選んだ100個の標本について重さを測定した結果が与えられている。このデータをもとに、標本平均$\overline{X}$と標本の分散$\sigma^2$を計算し、さらに標本平均$\overline{X}$が従う正規分布を求める。最後に、標準正規分布に従う変数$Z$を定義する。

確率論・統計学標本平均標本分散正規分布統計的推測
2025/6/3

1. 問題の内容

ある工場で生産された製品Pの重さについて、無作為に選んだ100個の標本について重さを測定した結果が与えられている。このデータをもとに、標本平均X\overline{X}と標本の分散σ2\sigma^2を計算し、さらに標本平均X\overline{X}が従う正規分布を求める。最後に、標準正規分布に従う変数ZZを定義する。

2. 解き方の手順

(1) 標本平均X\overline{X}は、各重さとその個数を掛け合わせたものの総和を、標本数で割ることで求められる。
X=45.0×2+45.1×21+45.2×56+45.3×18+45.4×2+45.5×1100\overline{X} = \frac{45.0 \times 2 + 45.1 \times 21 + 45.2 \times 56 + 45.3 \times 18 + 45.4 \times 2 + 45.5 \times 1}{100}
X=90+947.1+2531.2+815.4+90.8+45.5100=4520100=45.20\overline{X} = \frac{90 + 947.1 + 2531.2 + 815.4 + 90.8 + 45.5}{100} = \frac{4520}{100} = 45.20
標本の分散σ2\sigma^2は、各データ(xi)(x_i)について、(xiX)2(x_i - \overline{X})^2を計算し、各個数を掛けて総和をとり、それを標本数で割ることで求められる。
σ2=2(45.045.2)2+21(45.145.2)2+56(45.245.2)2+18(45.345.2)2+2(45.445.2)2+1(45.545.2)2100\sigma^2 = \frac{2(45.0 - 45.2)^2 + 21(45.1 - 45.2)^2 + 56(45.2 - 45.2)^2 + 18(45.3 - 45.2)^2 + 2(45.4 - 45.2)^2 + 1(45.5 - 45.2)^2}{100}
σ2=2(0.04)+21(0.01)+56(0)+18(0.01)+2(0.04)+1(0.09)100\sigma^2 = \frac{2(0.04) + 21(0.01) + 56(0) + 18(0.01) + 2(0.04) + 1(0.09)}{100}
σ2=0.08+0.21+0+0.18+0.08+0.09100=0.64100=0.0064\sigma^2 = \frac{0.08 + 0.21 + 0 + 0.18 + 0.08 + 0.09}{100} = \frac{0.64}{100} = 0.0064
(2) 母集団の平均がmm、分散がσ2\sigma^2であるとき、標本平均X\overline{X}は近似的に正規分布N(m,σ2n)N(m, \frac{\sigma^2}{n})に従う。ここで、n=100n=100であるから、X\overline{X}N(m,σ2100)N(m, \frac{\sigma^2}{100})に従う。
σ2=0.0064\sigma^2 = 0.0064なので、σ2100=0.0064100=0.000064\frac{\sigma^2}{100} = \frac{0.0064}{100} = 0.000064
XN(m,0.000064)\overline{X} \sim N(m, 0.000064)
Z=Xmσ2n=Xm0.000064=Xm0.008Z = \frac{\overline{X} - m}{\sqrt{\frac{\sigma^2}{n}}} = \frac{\overline{X} - m}{\sqrt{0.000064}} = \frac{\overline{X} - m}{0.008}

3. 最終的な答え

(1) X=45.20\overline{X} = 45.20
σ2=0.0064\sigma^2 = 0.0064
(2) XN(m,0.000064)\overline{X} \sim N(m, 0.000064)
Z=Xm0.008Z = \frac{\overline{X} - m}{0.008}

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