質量 $m$ の物体が高さ $h$ の摩擦のない斜面を滑り、動摩擦係数 $\mu$ の水平面に入った。長さ $x$ 滑ったところで速度 $v$ を有していた。このときの $x$ を求める問題。重力加速度は $g$ とする。

1. 問題の内容

質量 $m$ の物体が高さ $h$ の摩擦のない斜面を滑り、動摩擦係数 $\mu$ の水平面に入った。長さ $x$ 滑ったところで速度 $v$ を有していた。このときの $x$ を求める問題。重力加速度は $g$ とする。

2. 解き方の手順

まず、物体が高さ $h$ から滑り落ちて、水平面に到達するまでの力学的エネルギーの保存を考える。高さ $h$ の位置での物体の位置エネルギーは $mgh$ であり、これが水平面に到達したときの運動エネルギー $\frac{1}{2}mv_0^2$ となる。したがって、

$mgh = \frac{1}{2}mv_0^2$

この式から、水平面に到達した直後の速度 $v_0$ は、

$v_0 = \sqrt{2gh}$

となる。

次に、水平面を距離 $x$ 滑ったときの運動エネルギーの変化を考える。水平面では動摩擦力 $f = \mu N = \mu mg$ が働き、この摩擦力によって物体は減速する。距離 $x$ だけ滑ったとき、摩擦力がした仕事は $-fx = -\mu mgx$ となる。

運動エネルギーの変化は、仕事に等しいので、

$\frac{1}{2}mv^2 - \frac{1}{2}mv_0^2 = -\mu mgx$

この式に $v_0 = \sqrt{2gh}$ を代入すると、

$\frac{1}{2}mv^2 - \frac{1}{2}m(2gh) = -\mu mgx$

$\frac{1}{2}mv^2 - mgh = -\mu mgx$

両辺を $mg$ で割ると、

$\frac{v^2}{2g} - h = -\mu x$

したがって、$x$ は、

$x = \frac{1}{\mu}(h - \frac{v^2}{2g})$

3. 最終的な答え

$x = \frac{1}{\mu}(h - \frac{v^2}{2g})$

選択肢Dが正解。