A, B, C, D と書かれたカードがそれぞれ 4 枚, 1 枚, n 枚, (15-n) 枚ある。合計 20 枚のカードから 2 枚を同時に引くとき、以下の問いに答える。 (1) 隣り合うアルファベット (AとB, BとC, CとD) のペアを引く確率を n を用いて表す。 (2) 隣り合うアルファベットのペアを引く確率が $\frac{3}{10}$ 以上となるような自然数 n を全て求める。 (3) 隣り合うアルファベットのペアを引く確率が $\frac{1}{2}$ 以上となるように n を決定することが可能か否か、根拠とともに述べる。

確率論・統計学確率集合最大値最小値場合の数
2025/6/3
## 問題 A の解答

1. 問題の内容

A, B, C, D と書かれたカードがそれぞれ 4 枚, 1 枚, n 枚, (15-n) 枚ある。合計 20 枚のカードから 2 枚を同時に引くとき、以下の問いに答える。
(1) 隣り合うアルファベット (AとB, BとC, CとD) のペアを引く確率を n を用いて表す。
(2) 隣り合うアルファベットのペアを引く確率が 310\frac{3}{10} 以上となるような自然数 n を全て求める。
(3) 隣り合うアルファベットのペアを引く確率が 12\frac{1}{2} 以上となるように n を決定することが可能か否か、根拠とともに述べる。

2. 解き方の手順

(1) 隣り合うアルファベットのペアを引く確率を求める。
- 全ての組み合わせの数は 20C2=20×192=190_{20}C_2 = \frac{20 \times 19}{2} = 190
- AとBのペアの組み合わせの数は 4×1=44 \times 1 = 4
- BとCのペアの組み合わせの数は 1×n=n1 \times n = n
- CとDのペアの組み合わせの数は n×(15n)=15nn2n \times (15-n) = 15n - n^2
- 隣り合うペアを引く組み合わせの数の合計は 4+n+15nn2=n2+16n+44 + n + 15n - n^2 = -n^2 + 16n + 4
- よって、求める確率は n2+16n+4190\frac{-n^2 + 16n + 4}{190}
(2) 隣り合うアルファベットのペアを引く確率が 310\frac{3}{10} 以上となるような n を求める。
- n2+16n+4190310\frac{-n^2 + 16n + 4}{190} \geq \frac{3}{10}
- n2+16n+4190×310=57-n^2 + 16n + 4 \geq 190 \times \frac{3}{10} = 57
- n2+16n530-n^2 + 16n - 53 \geq 0
- n216n+530n^2 - 16n + 53 \leq 0
- n=16±1624×532=16±2562122=16±442=16±2112=8±11n = \frac{16 \pm \sqrt{16^2 - 4 \times 53}}{2} = \frac{16 \pm \sqrt{256 - 212}}{2} = \frac{16 \pm \sqrt{44}}{2} = \frac{16 \pm 2\sqrt{11}}{2} = 8 \pm \sqrt{11}
- 113.32\sqrt{11} \approx 3.32 なので、8114.688 - \sqrt{11} \approx 4.688+1111.328 + \sqrt{11} \approx 11.32
- 4.68n11.324.68 \leq n \leq 11.32 となる自然数 n は 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11
(3) 隣り合うアルファベットのペアを引く確率が 12\frac{1}{2} 以上となるように n を決定することが可能か否か。
- n2+16n+419012\frac{-n^2 + 16n + 4}{190} \geq \frac{1}{2}
- n2+16n+495-n^2 + 16n + 4 \geq 95
- n2+16n910-n^2 + 16n - 91 \geq 0
- n216n+910n^2 - 16n + 91 \leq 0
- n=16±1624×912=16±2563642=16±1082n = \frac{16 \pm \sqrt{16^2 - 4 \times 91}}{2} = \frac{16 \pm \sqrt{256 - 364}}{2} = \frac{16 \pm \sqrt{-108}}{2}
- 判別式が負であるため、実数解が存在しない。したがって、n216n+910n^2 - 16n + 91 \leq 0 を満たす実数 n は存在しない。
- n は自然数であるため、隣り合うアルファベットのペアを引く確率が 12\frac{1}{2} 以上となるように n を決定することは不可能である。

3. 最終的な答え

(1) n2+16n+4190\frac{-n^2 + 16n + 4}{190}
(2) n=5,6,7,8,9,10,11n = 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11
(3) 不可能。理由は、n216n+910n^2 - 16n + 91 \leq 0 を満たす実数 n が存在しないため。
## 問題 B の解答

1. 問題の内容

40人の生徒にスマートフォンとタブレット端末の所有状況をアンケートした。スマートフォン所有者は38人、タブレット端末所有者は32人。
(1) スマートフォンとタブレット端末の両方を所有している生徒の人数の最大値を求める。
(2) スマートフォンとタブレット端末の両方を所有している生徒の人数の最小値を求める。
(3) ノートPCを所有しているかを聞いたところ15人が所有していた。スマートフォン、タブレット端末、ノートPCの3つすべてを所有している生徒の人数の最小値を求める。
(4) スマートフォン、タブレット端末、ノートPCの3つすべてを所有している生徒の人数が(3)で求めた最小値であるとき、スマートフォンとノートPCの両方を所有しているが、タブレット端末は所有していない生徒の人数を求める。

2. 解き方の手順

(1) スマートフォンとタブレット端末の両方を所有している生徒の最大値
- 両方を所有している人数が最大になるのは、どちらか一方のみを所有している人ができるだけ少なくなる場合。
- タブレット端末の所有者数がスマートフォン所有者数より少ないので、タブレット端末所有者全員がスマートフォンも所有している場合に、両方所有者の人数が最大になる。
- したがって、最大値は 32 人
(2) スマートフォンとタブレット端末の両方を所有している生徒の最小値
- 全体数: 40人
- スマートフォン所有者: 38人
- タブレット端末所有者: 32人
- スマートフォンかタブレット端末の少なくともどちらか一方を所有している人数は、全体数以下である。
- (スマートフォンのみ所有) + (タブレットのみ所有) + (両方所有) ≦ 40
- (両方所有)の人数をxとする。
- スマートフォンのみ所有: 38 - x
- タブレットのみ所有: 32 - x
- (38 - x) + (32 - x) + x ≦ 40
- 70 - x ≦ 40
- x ≧ 30
- したがって、最小値は 30 人
(3) スマートフォン、タブレット端末、ノートPCの3つすべてを所有している生徒の人数の最小値
- スマートフォン所有者: 38人
- タブレット端末所有者: 32人
- ノートPC所有者: 15人
- 全体数: 40人
- スマートフォンとタブレット両方所有している人数は30人(2)より
- スマートフォン、タブレット、ノートPCのすべてを所有している人数をyとする。
- (スマートフォン,タブレットのみ所有) + (スマートフォン、ノートPCのみ所有) + (タブレット、ノートPCのみ所有) + (スマートフォンのみ所有) + (タブレットのみ所有) + (ノートPCのみ所有) + (3つすべて所有) ≦ 40
- まず、スマートフォンとタブレット端末の両方を所有していない人数は40-30=10人
- ノートPCを所有していない人数は40-15=25人
- 3つすべてを所有している人数を最小にするためには、ノートPCのみ所有者ができる限り多くなる必要がある。
- スマートフォン、タブレットのいずれも所有していない10人が全員ノートPCを所有している場合、残り5人がノートPCのみを所有する。
- よって、3つすべてを所有している生徒は0人。
(4) スマートフォンとノートPCの両方を所有しているが、タブレット端末は所有していない生徒の人数
- (3)よりスマートフォン、タブレット、ノートPCの3つすべてを所有している人数は0人
- スマートフォン所有者: 38人
- タブレット端末所有者: 32人
- ノートPC所有者: 15人
- スマートフォンとタブレット端末の両方を所有している人数は30人
- スマートフォンのみ所有者: 38-30 = 8人
- タブレットのみ所有者: 32-30 = 2人
- 3つ全てを所有している人数 = 0
- スマートフォンかつノートPC所有者 = z
- タブレットかつノートPC所有者 = w
- ノートPCのみ所有者 = 15 - z - w
- (スマートフォンのみ所有者) + (タブレットのみ所有者) + (スマートフォンとタブレット両方所有者) + (スマートフォンとノートPC両方所有者) + (タブレットとノートPC両方所有者) + (ノートPCのみ所有者) ≦ 40
- 8 + 2 + 30 + z + w + (15 - z - w) ≦ 40
- 55 ≦ 40 (矛盾)
- スマートフォンとタブレットの両方所有者が30人というのは最小値のため、矛盾が生じている。
- スマートフォンの少なくとも片方、タブレットの少なくとも片方を所有しているのは40人なので、スマートフォン、タブレットの少なくともどちらかを持っていない人は0人
- タブレットを所有していないので、スマートフォンのみ所有かつノートPC所有の人数を求める
- スマートフォンのみを所有 : 8人
- ノートPCを所有している人数 : 15人
- スマートフォン、タブレット、ノートPC全てを持っている人は0人
- ノートPCを所有している人は、38+15-x ≦ 40
- x ≧ 13
- スマートフォンとノートPCのみを所有している人数 = x-8
- タブレットとノートPCのみを所有している人数 = 0
- スマートフォンのみ所有: 8人
- タブレットのみ所有: 2人
- スマートフォン、タブレット両方所有: 30人
- ノートPCのみ所有: 15-x
- スマートフォンとノートPCのみ所有: z
- 合計 = 8 + 2 + 30 + (15-x) + (x-8) + w = 47
- 47 <=40
- スマートフォンのみ所有 + タブレットのみ所有 + スマートフォンとタブレット両方 + スマートフォンとノートPCのみ + ノートPCのみ = 40
- 8+2+30+x+(15-x) <=40 (スマートフォンとノートPCの両方)
- ノートPCのみ所有者は5人
- 15-5=10 答えは10人

3. 最終的な答え

(1) 32人
(2) 30人
(3) 0人
(4) 10人

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