1. 問題の内容
2次元スカラー場 における と の全微分の違いを説明する問題です。
2. 解き方の手順
まず、 と の全微分の定義をそれぞれ確認します。
* **勾配 (gradient)**: スカラー場 の勾配は、各変数に関する偏微分を成分とするベクトルです。つまり、
勾配はベクトル場であり、その方向は関数 が最も急激に増加する方向を示し、その大きさは増加率を示します。
* **全微分 (total differential)**: 関数 の全微分は、各変数に関する微小な変化 (, ) に対する の変化を表します。
全微分はスカラーであり、関数 の微小変化を表します。
次に、この2つの違いを説明します。
* はベクトル場であり、 の最大の増加方向と、その方向への変化率を示します。
* はスカラーであり、 と の微小変化に対する の微小変化を表します。
* を用いると、全微分は次のように表せます。
これは勾配ベクトルと、微小変位ベクトル の内積です。
3. 最終的な答え
はベクトルであり、スカラー場 が最も急激に増加する方向と、その方向への変化率を表します。一方、 の全微分 はスカラーであり、各変数における微小な変化に対する の変化を表します。全微分は、勾配ベクトルと微小変位ベクトルの内積として表現できます。