(2) $y = \sqrt{2}\sin\theta - \sqrt{2}\cos\theta + 2\sin\theta\cos\theta + 1$ ($0 \le \theta \le \pi$)について、以下の問いに答える問題です。 (1) $t = \sqrt{2}\sin\theta - \sqrt{2}\cos\theta$ とするとき、$t$のとり得る値の範囲を求めよ。 (2) $y$の最大値と最小値、およびそのときの$\theta$の値を求めよ。

1. 問題の内容

(2) $y = \sqrt{2}\sin\theta - \sqrt{2}\cos\theta + 2\sin\theta\cos\theta + 1$ ($0 \le \theta \le \pi$)について、以下の問いに答える問題です。

(1) $t = \sqrt{2}\sin\theta - \sqrt{2}\cos\theta$ とするとき、$t$のとり得る値の範囲を求めよ。

(2) $y$の最大値と最小値、およびそのときの$\theta$の値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) $t = \sqrt{2}\sin\theta - \sqrt{2}\cos\theta$を三角関数の合成を用いて変形します。

$t = \sqrt{2}\sin\theta - \sqrt{2}\cos\theta = \sqrt{(\sqrt{2})^2 + (-\sqrt{2})^2} \sin(\theta + \alpha) = 2\sin(\theta + \alpha)$

ここで、$\cos\alpha = \frac{\sqrt{2}}{2}, \sin\alpha = -\frac{\sqrt{2}}{2}$なので、$\alpha = -\frac{\pi}{4}$です。

したがって、$t = 2\sin(\theta - \frac{\pi}{4})$となります。

$0 \le \theta \le \pi$なので、$-\frac{\pi}{4} \le \theta - \frac{\pi}{4} \le \frac{3\pi}{4}$です。

よって、$-\frac{\sqrt{2}}{2} \le \sin(\theta - \frac{\pi}{4}) \le 1$となります。

したがって、$t$の範囲は$-\sqrt{2} \le t \le 2$です。

(2) $y = \sqrt{2}\sin\theta - \sqrt{2}\cos\theta + 2\sin\theta\cos\theta + 1$において、$t = \sqrt{2}\sin\theta - \sqrt{2}\cos\theta$とおくと、

$t^2 = (\sqrt{2}\sin\theta - \sqrt{2}\cos\theta)^2 = 2\sin^2\theta - 4\sin\theta\cos\theta + 2\cos^2\theta = 2 - 4\sin\theta\cos\theta$

したがって、$2\sin\theta\cos\theta = \frac{2 - t^2}{2} = 1 - \frac{t^2}{2}$です。

よって、$y = t + 1 - \frac{t^2}{2} + 1 = -\frac{1}{2}t^2 + t + 2$となります。

$y = -\frac{1}{2}(t^2 - 2t) + 2 = -\frac{1}{2}((t-1)^2 - 1) + 2 = -\frac{1}{2}(t-1)^2 + \frac{5}{2}$となります。

$y$は$t=1$のとき最大値$\frac{5}{2}$をとります。

$t = 2\sin(\theta - \frac{\pi}{4}) = 1$より、$\sin(\theta - \frac{\pi}{4}) = \frac{1}{2}$です。

$-\frac{\pi}{4} \le \theta - \frac{\pi}{4} \le \frac{3\pi}{4}$の範囲で$\sin(\theta - \frac{\pi}{4}) = \frac{1}{2}$となるのは$\theta - \frac{\pi}{4} = \frac{\pi}{6}$のときです。

したがって、$\theta = \frac{\pi}{6} + \frac{\pi}{4} = \frac{5\pi}{12}$です。

また、$t = -\sqrt{2}$のとき最小値をとります。

$y = -\frac{1}{2}(-\sqrt{2} - 1)^2 + \frac{5}{2} = -\frac{1}{2}(2 + 2\sqrt{2} + 1) + \frac{5}{2} = -\frac{3}{2} - \sqrt{2} + \frac{5}{2} = 1 - \sqrt{2}$となります。

$t = 2\sin(\theta - \frac{\pi}{4}) = -\sqrt{2}$より、$\sin(\theta - \frac{\pi}{4}) = -\frac{\sqrt{2}}{2}$です。

$-\frac{\pi}{4} \le \theta - \frac{\pi}{4} \le \frac{3\pi}{4}$の範囲で$\sin(\theta - \frac{\pi}{4}) = -\frac{\sqrt{2}}{2}$となるのは$\theta - \frac{\pi}{4} = -\frac{\pi}{4}$のときです。

したがって、$\theta = 0$です。

3. 最終的な答え

(1) $-\sqrt{2} \le t \le 2$

(2) 最大値：$\frac{5}{2}$（$\theta = \frac{5\pi}{12}$のとき）、最小値：$1 - \sqrt{2}$（$\theta = 0$のとき）