(1) 2(a4+b4)≥(a+b)(a3+b3) を示す。 まず、両辺の差をとります。
2(a4+b4)−(a+b)(a3+b3)=2a4+2b4−(a4+ab3+a3b+b4)=a4+b4−ab3−a3b さらに因数分解を進めます。
a4+b4−ab3−a3b=a4−a3b−ab3+b4=a3(a−b)−b3(a−b)=(a3−b3)(a−b)=(a−b)(a2+ab+b2)(a−b)=(a−b)2(a2+ab+b2) ここで、(a−b)2≥0 は常に成り立ちます。 また、a2+ab+b2=(a+2b)2+43b2≥0 なので、a2+ab+b2 も常に0以上です。 したがって、(a−b)2(a2+ab+b2)≥0 が成り立ちます。 つまり、2(a4+b4)−(a+b)(a3+b3)≥0 であるから、2(a4+b4)≥(a+b)(a3+b3) が成り立ちます。 (2) 3(a4+b4+c4)≥(a+b+c)(a3+b3+c3) を示す。 これは少し難しいので、コーシー・シュワルツの不等式を利用して考えます。
コーシー・シュワルツの不等式より、
(x12+x22+x32)(y12+y22+y32)≥(x1y1+x2y2+x3y3)2 が成り立ちます。
x1=a2,x2=b2,x3=c2 y1=a,y2=b,y3=c とすると、
(a4+b4+c4)(a2+b2+c2)≥(a3+b3+c3)2 が成り立ちます。
別の不等式として、平均の不等式を利用します。
a2+b2+c2≥3(a+b+c)2 上記2つの不等式を組み合わせることを考えますが、少し工夫が必要です。
別の解法として、Chebyshevの不等式があります。
a,b,c および x,y,z が共に同じ順序で並んでいるとき、 3(ax+by+cz)≥(a+b+c)(x+y+z) が成り立つというものです。 a3,b3,c3 と a,b,c は同じ順序なので、 3(a4+b4+c4)≥(a+b+c)(a3+b3+c3) が成り立ちます。