関数 $f(x) = \log(1+x^2)$ の $n$ 次導関数 $f^{(n)}(x)$ の $x=0$ における値 $f^{(n)}(0)$ を求めよ。

解析学導関数マクローリン展開対数関数
2025/6/9

1. 問題の内容

関数 f(x)=log(1+x2)f(x) = \log(1+x^2)nn 次導関数 f(n)(x)f^{(n)}(x)x=0x=0 における値 f(n)(0)f^{(n)}(0) を求めよ。

2. 解き方の手順

f(x)=log(1+x2)f(x) = \log(1+x^2) をマクローリン展開することを考える。
log(1+x)\log(1+x) のマクローリン展開は、
log(1+x)=k=1(1)k1xkk=xx22+x33x44+\log(1+x) = \sum_{k=1}^{\infty} (-1)^{k-1} \frac{x^k}{k} = x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3} - \frac{x^4}{4} + \cdots
である。したがって、log(1+x2)\log(1+x^2) のマクローリン展開は、
log(1+x2)=k=1(1)k1(x2)kk=k=1(1)k1x2kk=x2x42+x63x84+\log(1+x^2) = \sum_{k=1}^{\infty} (-1)^{k-1} \frac{(x^2)^k}{k} = \sum_{k=1}^{\infty} (-1)^{k-1} \frac{x^{2k}}{k} = x^2 - \frac{x^4}{2} + \frac{x^6}{3} - \frac{x^8}{4} + \cdots
となる。マクローリン展開は、
f(x)=n=0f(n)(0)n!xnf(x) = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{f^{(n)}(0)}{n!} x^n
と表されるので、f(n)(0)f^{(n)}(0) を求めるためには、マクローリン展開の xnx^n の係数を見れば良い。
nn が奇数のとき、xnx^n の項は存在しないので、f(n)(0)=0f^{(n)}(0) = 0 である。
n=2kn = 2k (kk は自然数)のとき、log(1+x2)\log(1+x^2) のマクローリン展開の x2kx^{2k} の係数は (1)k11k(-1)^{k-1} \frac{1}{k} なので、
f(2k)(0)(2k)!=(1)k11k\frac{f^{(2k)}(0)}{(2k)!} = (-1)^{k-1} \frac{1}{k}
したがって、
f(2k)(0)=(1)k1(2k)!kf^{(2k)}(0) = (-1)^{k-1} \frac{(2k)!}{k}
となる。

3. 最終的な答え

f(n)(0)={0(n が奇数のとき)(1)n21n!n2(n が偶数のとき)f^{(n)}(0) = \begin{cases} 0 & (n \text{ が奇数のとき}) \\ (-1)^{\frac{n}{2}-1} \frac{n!}{\frac{n}{2}} & (n \text{ が偶数のとき}) \end{cases}

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