(1) ギ酸ナトリウム水溶液
ギ酸ナトリウムは弱酸であるギ酸の塩なので、加水分解を起こします。
HCOO−+H2O⇌HCOOH+OH− Kh=KaKw=10−3.7510−14=10−10.25 水酸化物イオン濃度 [OH−] を x とすると、 Kh=[HCOO−][HCOOH][OH−]=0.0200−xx2 x が 0.0200 に比べて非常に小さいと仮定すると、0.0200−x≈0.0200 と近似できるため、 0.0200x2=10−10.25 x2=0.0200×10−10.25 x=0.0200×10−10.25=2×10−2×10−10.25=2×10−12.25=2×10−6.125≈1.414×10−6.125=1.414×10−6×10−0.125 10−0.125≈0.7499 x=1.414×0.75×10−6≈1.06×10−6mol/L pOH=−log10[OH−]=−log10(1.06×10−6)=6−log10(1.06)≈6−0.0253≈5.97 pH=14−pOH=14−5.97=8.03 (2) 塩化アンモニウム水溶液
塩化アンモニウムは弱塩基であるアンモニアの塩なので、加水分解を起こします。
NH4++H2O⇌NH3+H3O+ アンモニウムイオンの加水分解定数 Kh は、 Kh=KbKw=10−4.7110−14=10−9.29 水素イオン濃度 [H3O+] を y とすると、 Kh=[NH4+][NH3][H3O+]=0.0500−yy2 y が 0.0500 に比べて非常に小さいと仮定すると、0.0500−y≈0.0500 と近似できるため、 0.0500y2=10−9.29 y2=0.0500×10−9.29 y=0.0500×10−9.29=5×10−2×10−9.29=5×10−11.29=5×10−5.645≈2.236×10−5.645 y=2.236×10−5×10−0.645 10−0.645≈0.2265 y=2.236×0.2265×10−5≈0.5064×10−5=5.064×10−6mol/L pH=−log10[H3O+]=−log10(5.064×10−6)=6−log10(5.064)≈6−0.7045≈5.2955≈5.30