濃度不明の過酸化水素水 $H_2O_2$ 10mL に希硫酸を加え、1.5×$10^{-2}$mol/L の過マンガン酸カリウム $KMnO_4$ 水溶液を滴下したところ、24.0mL 加えたところで、$KMnO_4$ 水溶液の赤紫色が消えなくなった。この $H_2O_2$ 水の濃度は何 mol/L か。ただし、希硫酸中で $KMnO_4$ および $H_2O_2$ は以下のようにはたらく。 $MnO_4^- + 8H^+ + 5e^- \rightarrow Mn^{2+} + 4H_2O$ $H_2O_2 \rightarrow O_2 + 2H^+ + 2e^-$

応用数学化学酸化還元反応滴定濃度計算
2025/6/14

1. 問題の内容

濃度不明の過酸化水素水 H2O2H_2O_2 10mL に希硫酸を加え、1.5×10210^{-2}mol/L の過マンガン酸カリウム KMnO4KMnO_4 水溶液を滴下したところ、24.0mL 加えたところで、KMnO4KMnO_4 水溶液の赤紫色が消えなくなった。この H2O2H_2O_2 水の濃度は何 mol/L か。ただし、希硫酸中で KMnO4KMnO_4 および H2O2H_2O_2 は以下のようにはたらく。
MnO4+8H++5eMn2++4H2OMnO_4^- + 8H^+ + 5e^- \rightarrow Mn^{2+} + 4H_2O
H2O2O2+2H++2eH_2O_2 \rightarrow O_2 + 2H^+ + 2e^-

2. 解き方の手順

この問題は、酸化還元滴定の問題です。
まず、KMnO4KMnO_4H2O2H_2O_2 の反応式を立てます。与えられた半反応式から、MnO4MnO_4^- は 5 電子を受け取り、H2O2H_2O_2 は 2 電子を放出することがわかります。両者の電子の授受が等しくなるように、それぞれの半反応式を係数倍します。
2(MnO4+8H++5eMn2++4H2O)2(MnO_4^- + 8H^+ + 5e^- \rightarrow Mn^{2+} + 4H_2O)
5(H2O2O2+2H++2e)5(H_2O_2 \rightarrow O_2 + 2H^+ + 2e^-)
これらの式を足し合わせると、次の反応式が得られます。
2MnO4+16H++10e+5H2O22Mn2++8H2O+5O2+10H++10e2MnO_4^- + 16H^+ + 10e^- + 5H_2O_2 \rightarrow 2Mn^{2+} + 8H_2O + 5O_2 + 10H^+ + 10e^-
整理すると、
2MnO4+6H++5H2O22Mn2++8H2O+5O22MnO_4^- + 6H^+ + 5H_2O_2 \rightarrow 2Mn^{2+} + 8H_2O + 5O_2
次に、滴定の終点では、酸化剤と還元剤の物質量が反応式における係数比で反応します。したがって、
KMnO4の物質量2=H2O2の物質量5\frac{KMnO_4 の物質量}{2} = \frac{H_2O_2 の物質量}{5}
KMnO4KMnO_4 の物質量は、1.5×1021.5 \times 10^{-2} mol/L の水溶液を 24.0mL 用いたので、
1.5×102 mol/L×24.0×103 L=3.6×104 mol1.5 \times 10^{-2} \text{ mol/L} \times 24.0 \times 10^{-3} \text{ L} = 3.6 \times 10^{-4} \text{ mol}
したがって、H2O2H_2O_2 の物質量は、
52×3.6×104 mol=9.0×104 mol\frac{5}{2} \times 3.6 \times 10^{-4} \text{ mol} = 9.0 \times 10^{-4} \text{ mol}
H2O2H_2O_2 は 10mL の水溶液に含まれているので、H2O2H_2O_2 の濃度は、
9.0×104 mol10×103 L=0.09 mol/L\frac{9.0 \times 10^{-4} \text{ mol}}{10 \times 10^{-3} \text{ L}} = 0.09 \text{ mol/L}

3. 最終的な答え

0.09 mol/L

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