与えられたギ酸ナトリウム水溶液と塩化アンモニウム水溶液のpHを計算する問題です。 (1) 濃度0.0200 mol/dm³のギ酸ナトリウム水溶液 (ギ酸の$K_a = 10^{-3.75}$, 水のイオン積$K_w = 10^{-14}$) (2) 濃度0.0500 mol/dm³の塩化アンモニウム水溶液 (アンモニアの$K_b = 10^{-4.71}$, 水のイオン積$K_w = 10^{-14}$)

応用数学化学平衡pH加水分解対数
2025/6/13

1. 問題の内容

与えられたギ酸ナトリウム水溶液と塩化アンモニウム水溶液のpHを計算する問題です。
(1) 濃度0.0200 mol/dm³のギ酸ナトリウム水溶液 (ギ酸のKa=103.75K_a = 10^{-3.75}, 水のイオン積Kw=1014K_w = 10^{-14})
(2) 濃度0.0500 mol/dm³の塩化アンモニウム水溶液 (アンモニアのKb=104.71K_b = 10^{-4.71}, 水のイオン積Kw=1014K_w = 10^{-14})

2. 解き方の手順

(1) ギ酸ナトリウム水溶液の場合:
ギ酸ナトリウムは弱酸であるギ酸の塩であるため、加水分解を起こし、水溶液は塩基性になります。
まず、ギ酸ナトリウムの加水分解定数KhK_hを求めます。
Kh=KwKa=1014103.75=1010.25K_h = \frac{K_w}{K_a} = \frac{10^{-14}}{10^{-3.75}} = 10^{-10.25}
ギ酸ナトリウムの濃度をCCとすると、加水分解による水酸化物イオン濃度[OH][OH^-]は近似的に以下の式で求められます。
[OH]=Kh×C=1010.25×0.0200=2×1012.25=2×106.1251.414×106.1251.118×106[OH^-] = \sqrt{K_h \times C} = \sqrt{10^{-10.25} \times 0.0200} = \sqrt{2 \times 10^{-12.25}} = \sqrt{2} \times 10^{-6.125} \approx 1.414 \times 10^{-6.125} \approx 1.118 \times 10^{-6}
次に、pOHを計算します。
pOH=log10[OH]=log10(1.118×106)5.95pOH = -log_{10}[OH^-] = -log_{10}(1.118 \times 10^{-6}) \approx 5.95
最後に、pHを計算します。
pH=14pOH=145.95=8.05pH = 14 - pOH = 14 - 5.95 = 8.05
(2) 塩化アンモニウム水溶液の場合:
塩化アンモニウムは弱塩基であるアンモニアの塩であるため、加水分解を起こし、水溶液は酸性になります。
まず、塩化アンモニウムの加水分解定数KhK_hを求めます。
Kh=KwKb=1014104.71=109.29K_h = \frac{K_w}{K_b} = \frac{10^{-14}}{10^{-4.71}} = 10^{-9.29}
塩化アンモニウムの濃度をCCとすると、加水分解による水素イオン濃度[H+][H^+]は近似的に以下の式で求められます。
[H+]=Kh×C=109.29×0.0500=5×1011.29=5×105.6452.236×105.6451.493×105[H^+] = \sqrt{K_h \times C} = \sqrt{10^{-9.29} \times 0.0500} = \sqrt{5 \times 10^{-11.29}} = \sqrt{5} \times 10^{-5.645} \approx 2.236 \times 10^{-5.645} \approx 1.493 \times 10^{-5}
次に、pHを計算します。
pH=log10[H+]=log10(1.493×105)5.83pH = -log_{10}[H^+] = -log_{10}(1.493 \times 10^{-5}) \approx 5.83

3. 最終的な答え

(1) ギ酸ナトリウム水溶液のpH: 8.05
(2) 塩化アンモニウム水溶液のpH: 5.83

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